標準プラスミドベクター(in vivoプロモーターテスト用)

概要

当ベクターシステムはマウスモデルで哺乳動物のプロモーターを研究するために開発されました。プロモーターと推測される配列をLacZレポーター遺伝子の上流にクローニングし、トランスジェニックマウスの作製に使用します。トランスジェニックマウス胚や生体におけるLacZの発現パターンをプロモーター活性の検出に利用します。

当ベクターシステムはプロモーターの特定、プロモーターの組織特異性の決定、プロモーター亜種の比較や系統追跡等など多様な実験に有用です。

 

当ベクターシステムに関する詳細な情報ついては下記の論文を参照してください

References Topic
Comput Chem. 23:191 (1999) Review on eukaryotic promoter prediction
J Biol Chem. 273:10530 (1998) Analysis of promoter activity in vivo using a lacZ reporter plasmid

特徴

当社のベクターは標準的なプラスミドベクターを基に開発されています。プロモーターと考えられる配列はlacZレポーター遺伝子の上流にクローニングされます。活性を持つプロモーターは下流のLacZレポーター遺伝子を発現しますが、活性がないとレポーター遺伝子はほとんど発現しません。LacZとX-galによるwhole mount胚や組織切片のin situ色素染色はプロモーター活性の非常に高感度な検出を可能にします。

メリット

トランスジェニック動物の作製が容易:従来の前核注入によって効率良くトランスジェニックマウス胚や生体を作成できます。

簡便で高感度な検出:LacZをレポーターとしたX-gal染色方法は低発現量でも十分に検出可能な青色色素を作り出すのでプロモーター活性の高感度な検出が可能です。

簡便さ: ウイルス作製などが必要なウイルスベクターよりもプラスミドベクターによる遺伝子導入ははるかに簡便です。

大きなサイズDNAが許容可能: 当社のベクターは全体で~30kbのDNA配列を扱うことができます。これによってサイズの大きなプロモーターの検定が可能です。

デメリット

宿主ゲノムへのランダムな挿入:トランスジェニックマウスを作製する際、ベクターの前核注入によって複数ベクターコピーが宿主ゲノムへ挿入されることがあります。挿入サイト周辺のゲノム配列による位置効果、挿入されたベクターのコピー数のばらつき、挿入されるベクターの部分的な分解によってレポーターと遺伝子の発現レベルと組織特異性が変化することがあります。この問題を解決するために、ひとつのベクターに対して複数のトランスジェニックマウス株を用意します。それらのあいだで共通の発現パターンが観察されれば、本来のプロモーターの発現パターンであるといえます。

基本コンポーネント

Promoter: プロモーター配列はここに配置される。

LacZ: β‐ガラクトシダーゼ遺伝子。LacZは無色で可溶性のX-galを青色で不溶性の化合物に変換することでLacZを発現している細胞を染色する。

SV40 late pA: SV40(Simian virus 40)のlateポリアデニレーションシグナル。上流ORFの転写停止を助ける。

Ampicillin: アンピシリン耐性遺伝子。 E.coliへのアンピシリン耐性によるプラスミドの維持を可能にする。

pUC ori: pUC複製起点。E.coliでプラスミドを高コピーで維持する。