APF培地(Animal Product Free Media:非動物由来組成培地)

APF培地は生物由来原材料(動物由来原材料)が組成に使われていない、インダストリーグレードの大腸菌用培地です。1980年代のウシ海綿状脳症(BSE)の発生以来、バイオ医薬インダストリーは非動物由来原材料を使うことでBSE感染リスクを最小限に抑えています。伝統的なLB培地やTB培地の組成のトリプトンは、動物由来ガゼイントリプシンの分解産物です。対比して、APF培地では植物由来トリプトン代替物を使っています。  APF培地のもう一つの注目すべき特徴は、大腸菌密度にトレランスがあり、一晩培養では大腸菌の収量が増加し、それに伴ってプラスミドの回収量が増加することです。さらに複数の単一クローンを比較した場合、比較的均一なプラスミド回収量をVectorBuidlerのR&Dでは確認しています。そのため、バイオ医薬インダストリーの創薬研究の大腸菌培地としての用途はもとより、ライフサイエンス研究現場でも重宝されるAPF培地です。VectorBuilderではこれらの粉末培地をお求めやすい価格にてご提供します。

APF培地注文情報

APF培地1L当たりの組成

LB培地(APF)

TB培地(APF)
10g 植物由来トリプトン代替物 12g 植物由来トリプトン代替物
5g イーストエキストラクト 24g イーストエキストラクト
10g NaCl 4ml  グリセロール
100ml 0.17M KH2PO4/0.72M K2HPO4
pH 7.0-7.2 pH 7.0-7.2

APF培地保存条件等

滅菌処理

高圧滅菌

輸送条件

常温

保存温度

粉末:室温(18-25°C)

APF培地の特徴


図1. 動物由来原料よりなる伝統的LB培地に比べ、非動物由来原料よりなるAPF LB培地で、K12株由来大腸菌の培養液中密度が上昇した。

K12株由来で、研究用プラスミドDNAの増幅宿主として使われるDH5 alpha, DH10B, Stbl3 そして VB UltraStable ™ 株、さらにB株由来で、組み換えタンパク質の発現ベクターの増幅宿主として使われるBL21とBL21 (DE3) の増殖を、伝統的LB培地とAPF LB培地で一晩培養した。各K12株、各B株は、それぞれ同一プラスミドベクターを使って大腸菌形質転換を実施し、200 ml の培地を含むコニカルボトルで37度、220 rpm 、16時間継続培養を行った。大腸菌密度は、2時間ごとに OD600を分光光度計で測定した。K12株由来の4宿主では、APF LB培地で有意に高い大腸菌密度を得た。対して、B株由来の2宿主では、有意な差が認められなかった。これはB株はアミノ酸合成とタンパク質生成に特異性の高い株のためでばないか(SH Yoon, 2012)。

图 2

図2. プラスミドDNAの回収量の比較

VectorBuilderから販売しているVB超安定コンピテントセル(VB Ultrastable™)に、全長5Kbの高コピープラスミドを持たせ、適切な抗生物質を添加した200 ml の伝統的LB培地と非動物由来APF LB培地にて220rpm, 37度、最長48時間の培養でプラスミドDNAの収量を比較した。 各タイムポイントでは4 mlの培養液を採取し、プラスミドDNAを精製している。アガロースゲル電気泳動 (1% agarose)に1ulのプラスミド溶液を流し、ゲルをEtBr染色後イメージを撮影した。(M: 1Kb DNA ladder marker)

添付文書