安定発現細胞の作製サービス
VectorBuilderは、他社が追随できない価格と早い納期で、ご希望の遺伝子編集を持つ安定した細胞株作製サービスを提供します。 VectorBuilderは、実験のニーズと使う細胞株の特性に基づいてカスタマイズしたベクターをデザインおよびカスタム構築します。トランスフェクション、エレクトロポレーション、またはウイルスによる形質導入を適切に使用して、目的のDNA編集を標的細胞に導入します。標準的な薬剤選択に続いて、ポリクローナル細胞集団またはモノクローナル細胞株が継代培養され、検証し、すぐに使用できる状態で納品されます。細胞はATCCの規格に従い、コンタミネーションのない、望ましい遺伝子型の、信頼できる細胞であることを証明して納品します。
提供している安定細胞株の種類
- 過剰発現安定細胞株
- shRNAノックダウン安定細胞株
- Tet誘導性遺伝子安定発現細胞株
- CRISPR安定細胞株 (遺伝子ノックアウト、ノックイン、ポイントミューテーションを含む)
安定発現細胞株のサービス内容
価格と作業日数
安定細胞株モデル | 作製方法 | 納品形態 | 価格 (税別、送料別) | 作業日数 |
---|---|---|---|---|
遺伝子過剰発現 | レンチウイルスによる形質導入 | 細胞プール | 512,000円より | 9-15週間 |
モノクローン | 832,000円より | 12-20週間 | ||
shRNA 遺伝子ノックダウン | 細胞プール | 912,000円より | 8-13週間 | |
モノクローン | 1,232,000円より | 11-18週間 | ||
Tet誘導性遺伝子発現 | 細胞プール | 576,000円より | 10-16週間 | |
モノクローン | 944,000円より | 13-21週間 | ||
遺伝子ノックアウト | プラスミドを使ったCRISPR/Cas9 | 960,000円より | 10-16週間 | |
CRISPR/Cas9 レンチウイルス形質導入 | 1,120,000円より | 10-17週間 | ||
遺伝子ノックイン | プラスミドを使ったCRISPR/Cas9 | 1,616,000円より | 14-19週間 | |
ポイントミューテーション | 1,472,000円より | 13-19週間 |
価格は予告なく変更される場合があります。
安定発現細胞株のテクニカル情報
遺伝子過剰発現
目的遺伝子(Gene of Interest: GOI)を過剰発現する安定発現細胞株では、一過的発現(ライポフェクションなどのトランスフェクション)によるバリエーションの問題を克服します。安定発現細胞株は、レンチウイルス感染による形質導入とそれに続く薬剤の選択によって分離します。単離された各細胞株のGOI発現レベルはRT-qPCRによって検証します。細胞株製品は、無菌試験、マイコプラズマ検出など、一連の標準的QCアッセイを実施し合格したのち出荷されます。ウエスタンブロットや免疫染色などはカスタムQCとしてご要望に応じて実施します。

shRNA 遺伝子ノックダウン
目的遺伝子(Gene of Interest: GOI)の長期的ノックダウンにはshRNAノックダウン安定細胞株が有効です。 GOIノックダウンを確実にするために、ノックダウンスコアに基づいて上位3種類のshRNAをパッケージングしたレンチウイルス3種類をターゲット細胞に別々に形質導入します。 RT-qPCRにより、最も高いノックダウン効果を表す細胞株を納品します。細胞株製品は、無菌試験、マイコプラズマ検出など、一連の標準的QCアッセイを実施し合格したのち出荷されます。

Tet 誘導性遺伝子発現
VectorBuilderは、最小限のバックグラウンドと目的遺伝子の高い発現誘導能を備えた、Tet誘導性遺伝子発現安定細胞株をカスタム受託作製します。また、Tet調節タンパク質遺伝子(rtTA、tTS / rtTAなど)の安定発現細胞株を作製し、同一のドライバーを使って様々なTRE-GOIプラスミドまたはウイルスをトランスフェクト/形質導入するような細胞構築にもご対応します。柔軟な研究計画に対応するために、必要な条件を弊社までご連絡ください。弊社で受託作製した安定発現細胞株は、GOIの誘導をRT-qPCRで検証し、充分な遺伝子誘導が確認された細胞のみを選別、系統化します。確立した安定発現細胞株は、無菌試験、マイコプラズマ試験など、一連の標準的QCアッセイに合格したことを示す品質検査証明書(COA)とともに納品されます。

遺伝子ノックアウト
GOIを永久にノックアウトする安定細胞株の作製は、CRISPRツールを使用します。このアプローチではGOIをターゲットするgRNAのペアーをCas9とともにターゲット細胞に導入され、ターゲット遺伝子に2か所の切断が生じます。細胞が切断部位を修復した結果、ターゲット遺伝子内に大きな欠失が生じます。 ベクタービルダーでは、ターゲット遺伝子の機能的に重要な領域に隣接するようにgRNAペアーを設計するため、遺伝子機能の完全欠損細胞株が高確率で得られます。
細胞の種類に応じて、レンチウイルスまたはプラスミドのいずれかを使用してターゲット遺伝子のノックアウトを実施します。分離された細胞株は、ターゲット遺伝子座のサンガーシーケンシングによってノックアウトを評価します。細胞株製品は、無菌試験、マイコプラズマ検出など、一連の標準的QCアッセイを実施し合格したのち出荷されます。

遺伝子ノックイン
目的のゲノム上のターゲットサイトにGOIをノックインする安定細胞株の作製には、 CRISPRツールを使い、標的部位に特異的なgRNA、Cas9およびドナーベクターを細胞に導入します。
最終的な細胞株は、標的ゲノム領域をサンガーシーケンシングで確認することによってノックインを評価します。細胞株製品は、無菌試験、マイコプラズマ検出など、一連の標準的QCアッセイを実施し合格したのち出荷されます。

ポイントミューテーション
目的遺伝子のターゲット部位に、目的に沿ってデザインしたポイントミューテーションを持つ安定発現細胞株の作製は、CRISPRツールを使用します。このアプローチでは、Cas9とHDRを介したポイントミューテーション挿入テンプレートとして機能する一本鎖ドナーオリゴヌクレオチド(ssODN)、そして標的部位特異的gRNAを細胞に導入します。
得られた細胞株は、標的遺伝子座のサンガーシーケンシングによってポイントミューテーション有無を確認します。細胞株製品は、無菌試験、マイコプラズマ検出など、一連の標準的QCアッセイを実施し合格したのち出荷されます。

安定発現細胞の作製を発注するには
安定発現細胞サービスのQ&A
VectorBuilderが受託作製した安定細胞株は、無菌試験やマイコプラズマ検出テストなどの標準的なアッセイに加え、安定細胞株の種類に応じて細胞株の遺伝子型を検証する適切なアッセイを含んだ、厳格なQCチェックを受けて合格した細胞のみを出荷いたします。各安定細胞株の種類に応じたアッセイは、遺伝子過剰発現細胞、shRNA遺伝子ノックダウン安定細胞、およびTet誘導性安定細胞では、RT-qPCRを実行して、過剰なGOI発現、GOI発現の喪失、およびGOI発現の誘導をそれぞれ検証します。 CRISPR安定細胞株(遺伝子ノックアウト、ノックイン、ポイントミューテーション)の場合、ターゲット領域のサンガーシーケンシングを実行して、最終的な細胞株に、目的のゲノム編集が生じていることを検証します。
これら標準的なQCチェックに加えて、VectorBuilderはご依頼に応じて、樹立した細胞株に対してウエスタンブロット、免疫染色、およびサザンブロット分析を行います。これらのご依頼ベースのアッセイは追加作業として、サービスプロポーサルに別途お見積り内容として追加が可能です。細胞は依頼されたQCアッセイを実施、終了してから出荷準備にはいります。抗体を使うウエスタンブロットと免疫染色では、適切なテストシステム(細胞株など)や、使用可能な抗体があるかどうか、など様々な二次的条件に大きく依存しているため、弊社では必ずしもご依頼ベースの追加QCアッセイを保証することが不可能となっていますのでご了承ください。
安定細胞株作製サービスの標準的な作業日数は、細胞作製開始から最終QCチェックに合格して出荷準備にはいるまでの期間を指しています。作業日数には、ユーザー提供マテリアル(細胞株やベクター構築用のテンプレートDNAなど)の転送日数、QC作業、および顧客(または代理店)への輸送日数は含まれません。