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組み換えタンパク質発現

ベクタービルダーは、タンパク質構造解析、酵素アッセイ開発、創薬、診断、バイオエンジニアリングなどの様々な用途に適した複数のタンパク質発現プラットフォームを採用し、カスタマイズされた組換えタンパク質生産サービスを提供しています。当社のタンパク質生産プロセスは、当社のカスタム組換えタンパク質発現ベクターを利用し、高度に最適化されているために高品質の組換えタンパク質生産を可能にします。さらに、お客様からご提供いただいたベクターから組換えタンパク質を生産することにも対応しています。

特長

  • ワンストップソリューション: ベクターデザインから生産スケールのタンパク質精製までのすべてをサポート
  • 包括的なプラットフォーム: 様々な発現系を柔軟に選択可能
  • カスタマイズ性: 直感的に操作できるベクターデザインプラットフォームで、様々な精製タグや検出タグを自由に追加可能
  • 高品質: 幅広い精製方法とQCサービスを利用した高い品質

組み換えタンパク質発現システム

タンパク質生産ワークフロー

Recombinant protein expression service

FAQ

どの組み換えタンパク質合成システムを選ぶべき?

すべての組換えタンパク質発現システムには長所と短所があります。それらを考慮してプロジェクトに最適なシステムを選択してください。以下の表に各システムの長所と短所をまとめました。

組み換えタンパク質発現システム 長所 短所
大腸菌
  • 費用対効果がたかい
  • 生産に必要な時間が短い
  • 技術的にシンプル
  • スケールアップが容易
  • 高いタンパク質収率
  • タンパク質の翻訳後修飾がない
  • コドン使用法が真核生物と異なる
  • 封入体への蓄積のため、特定のタンパク質の発現が難しい
  • 一部の毒性を持つタンパク質による細菌の増殖阻害の可能性
哺乳類細胞
  • 必要なすべての翻訳後修飾と適切なフォールディングがなされた、最も自然な状態のタンパク質を生成できる
  • 分泌タンパク質や膜タンパク質生産に適している
  • 治療用タンパク質の生産に最適
  • 生産に必要な時間が長い
  • 培養条件が複雑
  • スケールアップが困難
  • 収率が低いため、細胞内タンパク質生産には適さない
昆虫細胞
  • 複雑な翻訳後修飾の大部分とタンパク質のフォールディングが可能
  • 分泌タンパク質、細胞内タンパク質、膜タンパク質生産に適している
  • 大きなタンパク質複合体の生産にも使用可能
  • 他の真核生物発現系と比較して高いタンパク質発現量が可能
  • 高密度の懸濁細胞培養による高いスケーラビリティ
  • 生産に必要な時間が長い
  • 培養条件が複雑
  • 高い技術が必要
無細胞系
  • 3時間で完了する時間効率の良い合成効率
  • 生細胞を使わない有毒タンパク質、複雑なタンパク質、不安定なタンパク質の生産
  • ハイスループットなタンパク質発現とスクリーニングに最適
  • 自動化プロセスに適合する簡単な手順
  • 条件の最適化が容易
  • 条件設定の幅が限定的
どのタンパク質タグを使うべき?

タグは組換えタンパク質生産に頻繁に利用されます。タグによって精製工程を合理化でき、ある種のタグはタンパク質の溶解度、収量、純度の向上に寄与します。タグがプロテアーゼ切断部位のとなりに配置されていれば、精製後に除去することができます。切断効率は標的タンパク質によって異なります。タンパク質発現と精製にとって、適切なタグを注意深く選択することは極めて重要です。以下の表に、一般的に使用されるタグの概要、その利点と限界をまとめました。

タグ よく使用されるシステム 利点 限界
GST 大腸菌、昆虫細胞
  • タンパク質のネイティブな構造をほぼ保持できる
  • マイルドな条件下でタンパク質の精製が可能
  • 切断が容易
  • タンパク質の溶解性と発現量を高める
  • タグの分子量が大きい
  • 二量体化により標的タンパク質に影響を与える可能性
  • 変性条件下でのタンパク質精製には適さない
His すべて
  • タグのサイズが小さいため、タンパク質の構造への影響が少ない
  • コストが低い金属アフィニティークロマトグラフィーが使用できる
  • 免疫原性が低い
  • 変性条件下でのタンパク質精製に適している
  • 細胞に内在する他の金属結合タンパク質が共精製される可能性があるため、通常は最適化が必要
  • タンパク質のフォールディングと溶解性を高めることはない
SUMO 大腸菌、昆虫細胞
  • タンパク質のフォールディングを促進
  • タンパク質の溶解性と発現量を高める
  • 他の大腸菌タンパク質による非特異的切断を受ける可能性
  • 変性条件下でのタンパク質精製に不適
Flag 哺乳類細胞、昆虫細胞
  • タグのサイズが小さいため、タンパク質構造への影響が少ない
  • 検出が容易
  • 非特異的結合が少ない
  • 高純度の精製が難しい
MBP 大腸菌、昆虫細胞
  • タンパク質の溶解性と発現量を高める
  • タグの分子量が大きい
  • 変性条件下でのタンパク質の精製に不適
Fc 哺乳類細胞、昆虫細胞
  • タンパク質の溶解性と発現量を高める
  • 分泌タンパク質に最適
  • タグの分子量が大きい

タグに関する詳細は、タンパク質タグをご参照ください。

ベクタービルダーはどのようなQCサービスを提供していますか?

ベクタービルダーによってクローニングされたベクターはすべて100%の配列保証がなされます。ベクタービルダーの組換えタンパク質は、厳格な品質管理を受けて生産されます。ほとんどの発現システムの標準QCには、1) 制限酵素切断解析とサンガーシークエンスによるタンパク質発現ベクターの検証、2) A260/280測定とSDS-PAGEによるタンパク質濃度と純度の決定が含まれます。以下の表に示されている一般的な追加QCサービスは、ご要望に応じて提供可能です。

追加QCサービス 方法
エンドトキシン試験 LAL
タンパク質の特性評価 ウェスタンブロット
インタクト質量分析 (還元条件)
SEC-HPLC
SEC-MALs
タンパク質N末端シーケンシング
宿主細胞タンパク質試験
タグ除去 プロテアーゼ分解
カイネティクスとアフィニティー分析 Octet
Biacore
げっ歯類用病原体検査パネル

                                              その他のQCサービスについてはお問い合わせ下さい

利用可能な精製方法は?

ベクタービルダーは、サイズ排除クロマトグラフィー(ゲルろ過)、アフィニティー精製、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィーなど、幅広いタンパク質精製法を提供しています。HisタグやGSTタグをもつ組換えタンパク質の場合は、アフィニティークロマトグラフィーが採用され、タグをもたない組換えタンパク質の場合は、サイズ排除クロマトグラフィー(ゲルろ過)が採用されます。タンパク質発現ベクターのデザインとタンパク質の特性に基づいて精製法が選択されます。