アデノウイルス作製サービス

組換えアデノウイルスベクターは、多種多様な哺乳動物細胞に対して高い形質導入効率を示し、高レベルの導入遺伝子発現を実現します。アデノウイルスベクターは宿主ゲノムに組み込まれることなくエピソームDNAとして残ります。そのため、in vivoにデリバリーした遺伝子を高レベルで短期間発現させることに適したツールとして、遺伝子治療やワクチン接種によく使用されています。 

VectorBuilderは、特に当社のプラスミドベクター構築サービスで受託作成されたアデノウイルスベクターシステムについて、タイター、純度、ウイルス生存率、コンシステンシーなど組み換えアデノウイルス生産プロトコルを大幅に改善し、独自技術と試薬を開発しました。その結果、アデノウイルスベクターのプラスミドベクター構築とアデノウイルスのパッケージングサービスを同時注文してくださるユーザーが多いことが特徴で、ユーザーの満足度が高いことを証明しています。

ご提供しているアデノウイルスの種類
  • ヒトAd5アデノウイルス
  • キメラAd5/F35アデノウイルス

アデノウイルス受託作製サービスの詳細

価格と作業日数
スケール 推奨使用系 一般的なタイター 最小タイター 容量 価格 (税抜き) 作業日数
パイロット 培養細胞 >2x1010 IFU/ml >1010 IFU/ml 250 ul (10x25 ul) 52,000円 20-32 日
中容量 1 ml (10x100 ul) 78,000円
大容量 >2x1011 IFU/ml >1011 IFU/ml 1 ml (10x100 ul) 130,000円
超純粋中容量 培養細胞 & in vivo >2x1012 VP/ml >1012 VP/ml 0.5 ml (10x50 ul) 169,000円 22-36 日
超純粋大容量 1 ml (10x100 ul) 208,000円

IFU = 感染タイター(Infectious units); VP =(ウイルス粒子)Virus particles

納品形態
培養細胞用 超純粋(培養細胞、in vivo)
カスタムアデノウイルス カスタムアデノウイルス

無料: 標準コントロールウイルス

  • パイロット: >1010 IFU/ml, 100 ul
  • 中容量: >1010 IFU/ml, 2x100 ul
  • 大容量: >1010 IFU/ml, 2x100 ul

  追加購入 (オプション): 超純粋標準コントロールウイルス

  • 超純粋中容量: >1012 VP/ml, 10x50 ul, 57,500円
  • 超純粋大容量: >1012 VP/ml, 10x100 ul, 70,500円

メール添付:カルタヘナ法26条1項情報公開書類、品質検査証明書(COA)

メール添付:カルタヘナ法26条1項情報公開書類、品質検査証明書(COA)

既成標準コントロールウイルスについて

カスタムウイルスをご購入いただく場合、 弊社既製品のコントロールウイルスを無料(パイロット、中容量、大容量用)または割引特価(超純粋大容量用)でご提供しています。既製標準コントロールウイルスは、感染効率の最適化などの目的に使用していただけるコントロールウイルスです。例えば、カスタムウイルスが目的遺伝子の強制発現系であれば、コントロールはEGFPを強制発現するウイルスです。厳密なカスタムコントロールが必要な場合は別途デザインとお見積りをご依頼ください。コントロールウイルスの詳細を以下に示します:

ベクターシステム コントロールベクター名称  Vector ID
アデノウイルス遺伝子発現用 pAV[Exp]-CMV>EGFP VB150925-10024
アデノウイルス U6型 shRNA ノックダウンシステム pAV[shRNA]-EGFP-U6>Scramble_shRNA VB161026-1127kyf
アデノウイルスmiR30型 shRNA ノックダウンシステム pAV[miR30]-CMV>EGFP:Scramble_miR30-shRNA VB180124-1101mjs
アデノウイルス CRISPRシステム pAV[Exp]-CMV>EGFP VB150925-10024
保存方法

非超純粋アデノイルス HBSSバッファーに、 また超純粋アデノウイルスは GTSバッファーにを溶液として各チューブに分注し、凍結したものをドライアイス梱包で出荷・納品します。お受け取り後は、-80°Cで長期間(1年間)安定です。-20°Cでは短期間(2〜3週間)の安定した保存が可能です。アデノウイルスはレンチウイルスなど他のウイルスに比べて大変安定で、ウイルス活性の損失を最小限に抑えて数回凍結解凍が可能です。しかし、実際には凍結融解サイクルの繰り返しはなるべく避け、融解後の分注チューブは使いきるようにしてください。

技術的情報

Human Ad5 adenovirus
Chimeric Ad5/F35 adenovirus
Adenovirus production and QC

For our adenovirus manufacturing, the adenoviral vector carrying the gene of interest (GOI) is first linearized by restriction digestion with PacI. The linearized vector DNA is transfected into packaging cells expressing the adenovirus gene E1 to produce recombinant adenovirus, and adenoviral particles are released into tissue culture medium where they are collected. For ultra-purified adenovirus (in vivo grade), viral particles are further purified and concentrated by cesium chloride (CsCl) gradient ultracentrifugation. We measure the titer using an immunocytochemistry-based approach to detect the adenovirus-specific hexon protein. For ultra-purified adenovirus, we measure the optical density (using OD260) of the viral particles to estimate the titer.

For each adenovirus produced by VectorBuilder, quality control includes titer measurement, sterility testing for bacteria and fungi, and mycoplasma detection. If the adenoviral vector encodes a fluorescent protein, we would perform transduction test to detect corresponding fluorescence. Additionally, for ultra-purified adenovirus, we routinely perform endotoxin assay to check the endotoxin level.

Chimeric Ad5/F35 adenovirus production and QC

For our chimeric Ad5/F35 adenovirus manufacturing (Figure 1), the Ad5/F35 adenoviral vector carrying the gene of interest (GOI) is first linearized by restriction digestion with PacI. The linearized vector DNA is transfected into packaging cells expressing the adenovirus gene E1 to produce recombinant adenovirus, and adenoviral particles are released into tissue culture medium where they are collected. For ultra-purified Ad5/F35 adenovirus (in vivo grade), viral particles are further purified and concentrated by cesium chloride (CsCl) gradient ultracentrifugation. We measure the titer using an immunocytochemistry-based approach to detect the adenovirus-specific hexon protein. For ultra-purified Ad5/F35 adenovirus, we measure the optical density (using OD260) of the viral particles to estimate the titer.

Figure 1. Typical workflow of chimeric Ad5/F35 adenovirus packaging.

For each adenovirus produced by VectorBuilder, quality control includes titer measurement, sterility testing for bacteria and fungi, and mycoplasma detection. If the Ad5/F35 adenoviral vector encodes a fluorescent protein, we would perform transduction test to detect corresponding fluorescence. Additionally, for ultra-purified adenovirus, we routinely perform endotoxin assay to check the endotoxin level.

Ad5 adenovirus vs. chimeric Ad5/F35 adenovirus

While human adenovirus serotype 5 (Ad5) vectors are most widely used for adenovirus-based applications, a major limitation associated with such vectors is their dependence on the coxsackie and adenovirus receptor (CAR) for infecting target cells. Host cells that completely lack or have insufficient expression of CAR cannot be efficiently transduced with Ad5 vectors. Ad5/F35 vectors help overcome this limitation by expressing a chimeric fiber protein comprised of the knob and shaft derived from adenovirus serotype 35 (Ad35) and the fiber tail derived from Ad5. This enables Ad5/F35 adenoviral vectors to readily transduce CAR-negative cells or cells with low levels of CAR-expression in addition to CAR-positive cells with high levels of CAR expression, by exploiting the ability of the Ad35 fiber protein to attach to target cells via the non-CAR receptor, CD46. The chimeric design of Ad5/F35 adenovirus has been highly instrumental in expanding the tropism of adenoviral vectors to cell lines such as hematopoietic cells, primitive stem cells, vascular smooth muscle cells and CAR-negative tumor cells which otherwise exhibit poor transduction efficiency with conventional Ad5 vectors.

Experimental validation

We have developed a number of proprietary techniques to optimize our Ad5/F35 packaging protocol. Our optimized Ad5/F35 adenovirus has been validated to exhibit much higher transduction efficiencies in cells with insufficient CAR expression (Figure 2) than compared to conventional Ad5 adenovirus.

Figure 2. K562 cells were transduced with EGFP expressing Ad5 or Ad5/F35 adenovirus at increasing MOI and EGFP positive cells were analyzed by flow cytometry at 48 hours post-transduction. K562 cells exhibit lows levels of CAR expression as shown by previous studies.

関連技術情報
ユーザーインストラクション 化学物質等安全データシート  (MSDS) 品質検査証明書 (Certificate of Analysis, COA)

ご注文方法

プラスミドベクター構築とウイルスパッケージングを同時注文する場合
ウイルスパッケージングのみ注文する場合(ユーザー提供プラスミド、または弊社にストックしたベクター)

ユーザー提供のプラスミドDNAベクターからのウイルスパッケージング

ユーザー提供のアデノウイルスプラスミドを使用するウイルスパッケージングをご依頼の場合は マテリアルサブミッションガイドライン に従ってマテリアルを準備し、弊社に発送してください。ーザーからご提供されるマテリアルはVectorBuilderでお受け取り後、品質検査(QCチェック)に合格することを必須条件としています。QCチェックは、マテリアルごとに14,000円~、の追加料金が発生する場合があります。さらにQCチェックに合格するまで、ご依頼の受託サービスが開始することができません。そのため、正しくマテリアルを準備、発送し、プロジェクトが遅延しないよう心がけてください。

Q&A

他のウイルスベクターに対するアデノウイルスの特徴は?
レンチウイルス MMLV アデノウイルス AAV
組織指向性 広範 広範 数細胞種には不適 ウイルスセロタイプに依る
非分裂細胞への感染 感染する 感染しない 感染する 感染する
安定発現または一過性発現 ゲノムへの挿入による安定発現 ゲノムへの挿入による安定発現 一過的、エピソーマル  一過的、エピソーマル 
得られる最高タイター 高い 中程度 非常に高い 高い
プロモーターのカスタマイズ 不可
主な使用系 培養細胞、 in vivo 培養細胞、 in vivo In vivo In vivo
In vivoでの抗原性 低い 低い 高い 非常に低い
VectorBuilderではウイルスタイターをどのように求めていますか?

アデノウイルスは、機能的タイターを測定します。連続希釈したアデノウイルスを293A細胞に形質導入した後、免疫細胞化学に基づくアプローチを使用して、アデノウイルス特異的ヘキソンタンパク質の検出により正常に形質導入された細胞の数をカウントします。各免疫染色細​​胞を1つの感染ユニットと見なします。細胞は非常に低い多重感染度(MOI)で感染し、ほとんどの形質導入された細胞がそれぞれ単一のウイルス粒子に感染するようにします。このアッセイは、従来のプラークアッセイとの良好な相関関係を示します。超純粋アデノウイルスの場合、超純粋アデノウイルスの場合は、ウイルス粒子の光学密度をOD260で直接測定して、タイターを求めます。なぜなら光学密度と機能的タイターの間に密接な相関関係があるためです。アデノウイルスは非常に優れた安定性を持っています。当社のR&Dでは、当社で作成したアデノウイルス粒子は、室温下で何日も機能性を保持したまま安定に生きていることを認めています。

VectorBuilderのウイルスタイター保障と作業日数について教えてください。

VectorBuilderで受託構築したアデノウイルスプラスミドベクターからアデノウイルスパッケージングを引き続きご注文いただき、かつパッケージングされる5’ITRから3’ITRまでの長さが38.7kb 以下の場合、最小タイター以上での保証を保障しています。以下の場合、タイター保証は適用外となっています:

  • パッケージング上限サイズを超えた場合(5’ITRから3’ITRの長さが38.7kb以上):上限サイズを超えるとウイルスは不安定となり、パッケージされたDNAフラグメントにリアレンジメントやDNA欠損などが生じることが広く知られています。ウイルス粒子へのパッケージングは可能ですが、搭載した遺伝子の機能欠損やタイターの極端な低下が生じることも知られています。
  • ウイルスベクターに搭載されたORFがパッケージング過程に負の影響を及ぼす場合:細胞毒性を持つ遺伝子(例、プロアポトーシス遺伝子群)、パッケージング細胞やウイルスの生合成に影響を与える遺伝子(例、凝集性を持つ膜タンパク遺伝子)、遺伝子シークエンスが塩基配列のリアレンジメントや二次構造をとるような遺伝子(例、反復配列や高GC-richシークエンス)。
  • ユーザーご提供のプラスミドDNAを使ってウイルスパッケージングを行わせていただく場合:弊社のウイルスパッケージングプロトコールは、弊社で構築したベクターバックボーンに対して最適化されています。また、弊社にシークエンスを公開できないプラスミドDNAや、非定型のアデノウイルス機能シークエンス(例、ITRなど)からのパッケージングには不確定要素が多く、タイター保証のご提供には限界があります。 

その他、お見積りの際に弊社よりご連絡させていただいたタイター低下リスクを、ユーザーにご同意いただき、パッケージングを受注させていただく場合もあります。できる限り高タイターでの納品を行いますが、生物学的バリアーによって困難な場合もあることをご了承ください。パッケージングの進捗に関しては弊社にメールにてお問い合わせください。

作業日数には、ご注文いただいた受託サービスが弊社で受注され、製造が完了し、弊社製造拠点から出荷されるまでの期間を指しています。ユーザーご提供のプラスミドDNAを使っての受託ウイルスパッケージングの場合、プラスミドDNAの受け入れやQCチェックにかかる日数は作業日数に含まれていません。