CRISPR点変異導入細胞株

VectorBuilderは、任意のゲノム標的部位に希望する点突然変異を保有する安定細胞株を樹立します。点突然変異は、CRISPR遺伝子編集技術を用いて導入します。標的部位に特異的なgRNA/Cas9 RNP複合体を、相同組み換え修復(HDR)のための点突然変異テンプレートを持つドナーベクターとともに標的細胞へ導入します。弊社独自の技術により、非常に効率的な遺伝子導入とHDRを実現し、短い作業日数とホモ接合変異体の高い取得成功率を可能にしています。

特長

  • 最高の点変異導入効率: 弊社独自のドナーデザインと遺伝子導入技術により、細胞は最大50%のHDR率を示します。
  • 非ウイルス性デリバリー: 効率的なエレクトロポレーションに基づくRNPデリバリーはオフターゲット効果を最小限にします。
  • 短い作業日数: ベクター設計から最短18週間でホモ接合体変異導入細胞を樹立いたします。

サービス詳細

Workflow for CRISPR point mutation stable cell line engineering

図1. CRISPR点変異安定細胞株作製のワークフロー。

価格と作業日数 プライスマッチ
サービス内容 納品形態 価格 (税別、送料別)* 作業日数
点変異導入 ホモ接合体 1クローン (>106 cells/vial, 2 vials) 1,395,000円より 14-20 週間

* 追加のクローンまたはバイアルには追加料金がかかります。

QCアッセイ
アッセイ内容 検査方法
点変異確認(デフォルト) PCR, サンガーシークエンス
発現テスト(オプション) RT-qPCR, WB, IF, FACS
オフターゲット検査(オプション) NGS, PCR, サンガーシークエンス
染色体検査 (オプション) 核型検査
無菌試験(デフォルト) マイコプラズマテスト(PCR), バイオバーデン試験

解析の追加

ご要望に応じて、増殖、アポトーシス、遊走、生存率、細胞毒性などのアッセイを含む、樹立細胞株の様々な表現型評価や機能検証を実施いたします。

ケーススタディ

Optimized point mutation efficiency

図2. ベクタービルダーが最適化した突然変異導入技術を用いた様々な細胞株における点変異導入率。

Validation of CRISPR point mutation in THP-1 cells

図3. THP-1細胞における点変異の検証。(A)GOIにおける点変異をサンガーシークエンスによって検証した。赤い四角は非同義変異、緑の四角は同義変異を示す。(B)標的部位のPCR産物の長さは、点変異を持つ細胞(PM)と野生型(WT)細胞で同じであり、PM細胞では構造変異がないことを示している。

FAQ

点突然変異を導入するドナーとして、ssODNとdsDNAのどちらを使うべきでしょうか?

導入したい変異が小さい場合、技術的にシンプルで、ゲノム内のランダムな位置に組み込まれることが少ないssODNをお勧めしています。しかしssODNの場合、200bp以上のドナーテンプレートを使用できません。これより大きなドナーテンプレートを使用する場合は、dsDNAドナーを使うことになります。CRISPR切断サイトから変異導入サイトまでの距離をssODNでは10塩基対、dsDNAドナーでは1kb以内にすると効率が上がります。

どのような場合に同義変異を導入する必要がありますか?

同義変異はアミノ酸配列に違いはありませんが、コドンバイアス、mRNAの二次構造と安定性、タンパク質の翻訳速度に影響を与える可能性があります。細胞に同義変異を導入することで、転写反応後のそれらへの影響を研究できます。CRISPRの構成要素(PAMやその近傍の配列など)の標的配列を改変する同義変異を導入することで、オフターゲットやCRISPR-Cas9編集による望まない切断を抑制できます。

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