Tet誘導性遺伝子発現安定細胞株

VectorBuilderでは、バックグラウンド発現を最小限に抑え、目的の遺伝子(GOI)を高誘導するTet誘導性遺伝子発現安定細胞株をカスタム構築することが可能です。さらに、Tet制御タンパク質(rtTA、tTS/rtTA、tet3Gなど)を発現する安定細胞株を作製することも可能です。この安定発現細胞株は、柔軟な実験デザインと信頼性の高いTet誘導性遺伝子発現のために、TREによって駆動されるお客様のGOIを有するウイルス/プラスミドで形質導入/トランスフェクトすることができます。Tet-On安定発現細胞株の場合、GOIの誘導はRT-qPCRによって検証します。さらに、最終的な細胞株製品をリリースする前に、無菌試験やマイコプラズマ検出などの一連の標準的なQCアッセイを実施します。

特長

  • スイッチのような遺伝子活性化: 本ベクターシステムでは、テトラサイクリンによって遺伝子発現のオン・オフをスイッチのように制御することを可能とし、高い感度で反応し、バックグラウンド発現は最小限に抑えます。  
  • 高発現: TREプロモーターは、その誘導状態で非常に高レベルの遺伝子発現を駆動することができます。
  • 短い作業日数: ベクター設計から最短9週間で安定発現細胞を作製いたします。

サービス詳細

Workflow Tet inducible gene expression stable cell line engineering

図1. Tet誘導性遺伝子発現安定細胞株作製のワークフロー

価格と作業日数 プライスマッチ
サービス内容 納品形態 価格 (税別、送料別)* 作業日数
Tet誘導性遺伝子発現 細胞プール (>106 細胞/バイアル,2本) 620,000円より 9-15 週間
2 モノクローン (>106 細胞/バイアル,2本/モノクローン) 775,000円より 14-20 週間

* 追加のクローンまたはバイアルには追加料金がかかります。

QCアッセイ
アッセイ内容 検査方法
Tet誘導性過剰発現確認 (デフォルト) RT-qPCR
発現テスト (オプション) WB, IF, FACS
無菌試験 (デフォルト) マイコプラズマ検出(PCR), バイオバーデン試験 

解析の追加

ご要望に応じて、増殖、アポトーシス、遊走、生存率、細胞毒性などのアッセイを含む、樹立細胞株の様々な表現型評価や機能検証を実施いたします。 

ケーススタディ

Tet inducible EGFP expression stable cell line validation

図2. 293T細胞におけるTet誘導性EGFP発現 tTS/rtTA安定発現293T細胞にTRE駆動EGFPを搭載したレンチウイルスベクターをMOI 1にて感染させた。EGFP発現をドキシサイクリン無し(Dox-) または有り(Dox+) の場合で解析した。(ドキシサイクリン: テトラサイクリンアナログ、10 ng/ml ) 遺伝子導入後、24時間と48時間の (A) 顕微鏡像, (B) フローサイトメトリー解析, および (C)ウェスタンブロッティングの結果を示した。MFI, median fluorescence intensity.

FAQ

Tet制御システムでどのように遺伝子発現誘導がコントロールされているのか?

テトラサイクリン誘導性遺伝子発現システムは、哺乳類細胞における遺伝子発現のタイミングを制御する強力なツールです。当社のTet-Onベクターシステムは、テトラサイクリン非存在下でGOIのほぼ完全なサイレンシングを達成し、テトラサイクリンの添加に応答して強力で迅速な発現を達成するように設計されています。これは、テトラサイクリン非存在下でのtTSタンパク質による能動的サイレンシングと、テトラサイクリン存在下でのrtTAタンパク質による強力な活性化を組み込んだ多成分系によって実現しています。テトラサイクリン非存在下では、TetR(Tetリプレッサー蛋白質)とKRAB-AB(Kid-1蛋白質の転写抑制ドメイン)の融合体由来のtTS蛋白質がTREプロモーターに結合し、遺伝子の転写を積極的に抑制します。一方、rTetR(変異型Tetリプレッサー)とVP16(単純ヘルペスウイルスのビリオンタンパク質16の転写活性化ドメイン)の融合体由来のrtTAタンパク質は、TREプロモーターに結合し、テトラサイクリン存在下でのみ遺伝子転写を活性化します。当社のTet-Offベクターシステムは、テトラサイクリン存在下での標的遺伝子の発現をTREプロモーターへtTAタンパク質が結合することによって阻害し、制御することができます。

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