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変異ライブラリー構築サービス

ベクタービルダーは、カスタム変異導入ライブラリーの構築に関する広範な専門知識を提供しています。変異ライブラリーは、タンパク質の重要な残基やドメインを探査するための初期段階に、数多くの研究に利用されています。チップによる合成、Error-Prone PCR、縮重コドンの利用、DNAシャッフリングなど、多様な変異プールを作成するための様々なアプローチをご提供しています。導入する変異は特定領域に限定することも、複数の領域に分散させることも可能です。

特長

  • 多様なライブラリー構築アプローチ: 研究目的に合わせた変異ライブラリーを、様々なアプローチで構築します。
  • 高い複雑性: 108までの複雑性を持つライブラリー構築を受託可能。
  • 優れたカバレッジと高い均一性:通常、弊社のライブラリーはターゲットとする変異配列の98%以上をカバーできます。

サービス詳細landing page workflow

価格と作業日数 プライスマッチ
サービス 概要 価格 (税別、送料別) 作業日数
変異ライブラリーの設計 経験豊富なベクタービルダーのチームが、最適なアプローチを使用してカスタム変異ライブラリーをデザインします。希望通りの蛍光マーカーや多様なバーコードを組み込むこともできます。 無料 1-4日
プール型ライブラリーのクローニング オリゴor遺伝子の配列合成、バーコードのライブラリーベクターへの大量並列クローニング、サンガーシーケンスによる予備検証、NGSによる検証を含む。納品物はライブラリーが導入された大腸菌グリセロールストックとNGSレポートが含まれる。 356,500円から 5-8週
プール型ライブラリーのウイルスパッケージング ウイルスパッケージングサービスの詳細はこちらをご覧ください。ライブラリープラスミドのパッケージング価格は、通常のベクタープラスミドのパッケージング価格の1.5倍となります。
スクリーニングサンプルのNGSデコンボリューション スクリーニングから得られた細胞のゲノムDNAからのNGSライブラリーの作成、Illuminaシークエンス(500x以上のカバレッジ)およびデータ解析を含む。 サンプルあたり65,100円から 3-5週

技術情報

変異ライブラリー構築ストラテジー
Mutation library construction strategies

チップによるオリゴ合成

チップによるオリゴ合成は、任意の部位に対して飽和変異を加える様な、様々なサイズと配列で予めデザインされた配列変異バリアントの合成に理想的です。当社のチップDNA合成は、低エラー率で通常300 ntまで行えます。

Error-prone PCR

Error-prone PCRは、元配列を変異させるためにPCR条件を変更することによって、非常に可変性の高い変異ライブラリーを作成するために最も簡単なアプローチです。具体的には、低フィデリティーポリメラーゼ、長い伸長時間、高いMg2+濃度、Mn2+の添加、異なるdNTP濃度を含む様々な最適でないPCR条件を組み合わせることで、オリジナルの配列にランダムな点変異を導入します。

縮重コドン

遺伝暗号の縮重は、1つのアミノ酸を複数のコドンでコードします。オリゴヌクレオチド合成における縮重コドンは、高度に制御されたランダム変異導入を可能にします。有意な結果が見込める標的領域やアミノ酸に的を絞った変異導入を可能にします。NNKライブラリーはポピュラーな縮重変異ライブラリーであり、20のアミノ酸すべてと1つの停止コドンをコードする32のNNK縮重コドンの組み合わせ(N= A/C/G/T、K= G/T)を使用します。ライブラリー構築に縮重コドンを利用することで、効果的にアミノ酸バリエーションを作り出すことが出来ます。

縮重コドン コドン数 ストップコドン数 アミノ酸
NNN 64 3 20種すべて
NNK / NNS 32 1 20種すべて
NDT 12 0 RNDCGHILFSYV
DBK 18 0 ARCGILMFSTWV
NRT 8 0 RNDCGHSY

DNAシャッフリング

DNAシャッフリングは、相同組換えによって非常に効率的にキメラDNA配列を生成することが出来ます。親DNA配列を分解してランダムな断片にした後、プライマーレスPCRを用いて新しい変異キメラ配列に再構成します。DNAシャッフリングを用いた高複雑性ライブラリーは、配列の合理的な設計と定向進化に使用することもできます。DNAファミリーシャッフリングは、Error-prone PCRのような他の変異誘発法と組み合わせて利用されることもあります。

実験データ
Nucleotide composition of (NNK)11 in the plasmid library

図1. (NNK)11プラスミドライブラリーのヌクレオチド組成。ライブラリーはNNK縮重コドンを用いて構築された。各バーはヌクレオチドの位置を表し、色は観察されたヌクレオチドを示す。すべての位置で、理論値(N = 25% A, 25% T, 25% G, 25% C, K = 50% T, 50% G)に近い頻度で予想されるヌクレオチドが観察された。

Distribution of amino acids in a 7-mer variable region of a plasmid library

図2.7merの可変領域をもつプラスミドライブラリーにおけるアミノ酸の分布。ライブラリーはNNK縮重コドン戦略を用いて構築した。各バーは、特定のアミノ酸または停止コドンの理論的割合(水色)または実際の割合(ピンク色)を表す。全20アミノ酸と停止コドン頻度の観察結果は、理論的頻度とほぼ一致した。

mutationComplexity, coverage, and alignment rate of chip-based oligo libraries constructed by VectorBuilder.

図3. ベクタービルダーで構築したライブラリーのサイズ、カバレッジ、アライメント率。(A) 製造したライブラリーの複雑さは102から>105の範囲となり、非常に多岐にわたる。(B)カバレッジとリードのアラインメント率はともに非常に高く、弊社のライブラリーのカバレッジとエラー率の低さが際立つ。

注文方法

お客様提供のプール型プラスミドライブラリー

お客様によって作製されたライブラリーDNAを使用する場合は、マテリアル提出ガイドラインにしたがってライブラリーDNAを郵送してください。作業遅延やライブラリーのダメージを避けるために、当社のガイドラインに忠実に従った梱包をお願いいたします。お客様から提供されたすべてのマテリアルは、必ずベクタービルダーによる品質検査を受ける必要があり、マテリアル当たり16,000円の検査費用が発生します。マテリアルが品質検査を通過しないとライブラリー構築が開始できないことをご承知おきください。お客様によって作製されたプラスミドライブラリーからライブラリー構築をする場合、当社で最終的なライブラリーの複雑性と均一性の保証はいたしかねます。

リソース

FAQ
変異ライブラリー構築に利用される、さまざまな変異導入方法の利点と限界は何ですか?
変異導入方法 利点 限界
Error-prone PCR
  • 変異配列の迅速な作製
  • 標的配列の知識が不要
  • 費用対効果が高い
  • 複数の変異や意図しない変異が導入される可能性が高く、変異の正確な制御が難しい
  • NGSによるGOI全体の変異同定が難しい
縮重コドン
  • 非常に多様な変異体プールを生成可能
  • 特定の位置に複数の異なるアミノ酸を組み込むことが可能
  • 適切な縮重コドンの選択によりバイアスを回避できる
  • ストップコドン生成の可能性がある
  • オリゴ合成の技術的難易度が高く、高コスト
DNAシャッフリング
  • 機能的変異体が得られる確率が高い
  • 他の変異導入アプローチと組み合わせて変異体の多様性を高めることが可能
  • 遺伝子配列全体の組み換えが可能
  • 意図しない配列の組み合わせを導入する可能性がある
  • 手間がかかる
  • NGSによる全長変異配列の決定は困難
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