無細胞系タンパク質発現システム
ベクタービルダーは、CFPS(Cell-Free Protein Synthesis)プラットフォームによる、高品質のタンパク質生産サービスを提供しています。CFPSは生細胞を使用しないin vitroタンパク質発現を可能にします。CFPSによる組換えタンパク質発現プロセスは最適化・合理化されており、最短5日で完了します。この大幅な高速化により、作業効率が向上します。
特長
- 短い作業期間
- 反応条件の高度なコントロール
- 様々な標的分子のハイスループット生産に適している
- 細胞系での発現が困難な抗体フラグメントの生産に適用できる
サービスの詳細
無細胞系タンパク質発現システムのワークフローは、CFPSのテンプレートとなる発現ベクターの設計と構築から始まります。CFPSのために、大腸菌細胞を溶解して粗抽出物を採取します。粗抽出液にエネルギー分子、アミノ酸、DNAまたはmRNAテンプレートなどの必要なコンポーネントが追加することによって、タンパク質合成のための転写および翻訳反応が開始されます。無細胞タンパク質合成、タンパク質精製、QCの工程は最短1日で完了できます。
納品と保存方法
当社の組換えタンパク質のほとんどは凍結状態のドライアイス便で納品されます。納品後は、無菌状態で-20℃~-80℃で保存してください。組換えタンパク質は、適切に保存されれば、通常1年間は安定した状態を保ちます。組換えタンパク質が納品されたら、分注を行い、凍結融解サイクルを避けることをお勧めします。
品質管理(QC)
ベクタービルダーによってクローニングされたベクターはすべて100%の配列保証がなされます ベクタービルダーの組換えタンパク質は、厳格な品質管理を受けながら生産されます。ほとんどの発現システムの標準QCには、1) 制限酵素切断解析とサンガーシークエンスによるタンパク質発現ベクターの検証、2) A260/280測定とSDS-PAGEによるタンパク質濃度と純度の決定が含まれます。以下の表に示されている一般的な追加QCサービスは、ご要望に応じて提供可能です。
追加QCサービス | 方法 |
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エンドトキシン試験 | LAL |
エンドトキシン試験 | ウェスタンブロット |
インタクト質量分析 (還元条件) | |
SEC-HPLC | |
SEC-MALs | |
タンパク質N末端シーケンシング | |
宿主細胞タンパク質試験 | |
タグ除去 | プロテアーゼ分解 |
カイネティクスとアフィニティー分析/td> | Octet |
Biacore | |
げっ歯類用病原体検査パネル |
技術情報
ケーススタディ
図1. (A)CFPSによるハイスループットVHH合成。純度はSDS-PAGEで90%以上と分析された。(B)CFPSによるscFv合成。純度はSDS-PAGEで90%以上と分析された。
ご注文方法
ユーザー提供のプラスミドDNAを使用したタンパク質生産
ユーザー提供のプラスミドDNAを使用する場合は、マテリアルサブミッションガイドライン. に従ってマテリアルを準備し、弊社に発送してください。ユーザーからご提供されるマテリアルは、ベクタービルダーで受け取り後、品質検査(QCチェック)に合格することを必須条件としています。QCチェックは、マテリアルごとに16,000円からの追加料金が発生する場合があります。QCチェックに合格するまで、ご依頼のサービスが開始することができないことをご了承ください。
リソース
Q&A
すべての組換えタンパク質発現システムには長所と短所があります。それらを考慮してプロジェクトに最適なシステムを選択してください。以下の表に各システムの長所と短所をまとめました。
組み換えタンパク質発現システム | 長所 | 短所 |
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大腸菌 |
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哺乳類細胞 |
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昆虫細胞 |
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無細胞系 |
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タグは組換えタンパク質生産に頻繁に利用されます。タグによって精製工程を合理化でき、ある種のタグはタンパク質の溶解度、収量、純度の向上に寄与します。タグがプロテアーゼ切断部位のとなりに配置されていれば、精製後に除去することができます。切断効率は標的タンパク質によって異なります。タンパク質発現と精製にとって、適切なタグを注意深く選択することは極めて重要です。以下の表に、一般的に使用されるタグの概要、その利点と限界をまとめました。
タグ | よく使用されるシステム | 利点 | 限界 |
---|---|---|---|
GST | 大腸菌、昆虫細胞 |
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His | すべて |
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SUMO | 大腸菌、昆虫細胞 |
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Flag | 哺乳類細胞、昆虫細胞 |
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MBP | 大腸菌、昆虫細胞 |
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Fc | 哺乳類細胞、昆虫細胞 |
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タグに関する詳細については、プロテインタグページをご覧ください。
可能です。CFPSでは、タンパク質合成に必要なコンポーネントを含む細胞抽出液と、その他の必須コンポーネントを混合します。真核生物由来のコンポーネントを追加することで、タンパク質合成装置は真核細胞と酷似したものになり、真核生物のタンパク質を正確に合成することができます。