shRNA ライブラリー(プール型)

VectorBuilderはヒトとマウス遺伝子に対して、高品質のプール型shRNAライブラリーを提供しています。ライブラリーは Ready-to-use(すぐに使用可能な)レンチウイルス粒子の納品になります。全遺伝子(~19,000 種のRefSeq遺伝子)とエリート遺伝子(PubMed Centralの論文でよく引用されている~2,000種の遺伝子)の2種類のライブラリーがあり、1遺伝子に対して5-6種類の異なるshRNAがターゲットするようにデザインされています。このライブラリーを使うことで哺乳類細胞のゲノムワイドloss-of-functionスクリーニングがパワフルに、またコストパフォーマンスよく行えます。
プール型shRNAライブラリーを使った従来の遺伝学的スクリーニングワークフローを図1に示します。まず、対象細胞にshRNAレンチウイルスライブラリーを導入し、陽性細胞をレンチウイルスゲノムに組み込まれていたマーカー(例えば、薬剤耐性や蛍光マーカー)で選択します。 次に、陽性細胞をコントロール群と実験群の2つに分け、実験群にのみ特定の選択圧(たとえば、薬剤処理や継代のくりかえし)を与えて、研究対象の表現型を示す細胞を分離します。
スクリーニングには大きく分けて3種類の方法があります:
1) Viability 選択:選択圧に晒された後、生存した細胞でshRNAのエンリッチメント(濃縮)またはデプリ―ション(枯渇)を検出する
2) レポーターによる選択: shRNAがエンリッチされた細胞でレポーター遺伝子の発現レベルが上昇、または低下することを指標としたスクリーニング(例えば、shRNAが転写因子をターゲットし、マーカー発現を変化させる場合など)
3) behavior 選択:shRNAが細胞の浸潤、マイグレーションなどの運動性に関与している場合の選択。
スクリーニングの後、実験群とコントロール群の両細胞群をハーベストし、実験群でエンリッチまたはデプリートされたshRNAをサンガーシークエンスまたはNGSでコントロール群と比較します。候補遺伝子を絞り込み、さらに関連する機能解析実験によって候補遺伝子の特定を進めます。
図 1. プール型 shRNA レンチウイルスライブラリーを使い、loss-of-functionスクリーニングを行う場合のワークフロー。Acta Biochim Biophys Sin 44:103-112 (2012)から引用。
shRNAターゲットについて
ゲノムワイドターゲッティングと高度の複雑性:ヒトそしてマウスの両種に対し、ホールゲノム(~19,000 種RefSeq 遺伝子) そして エリート遺伝子 (PubMed Centralで引用された上位2,000 遺伝子)の2種類のshRNAライブラリーをご提供しています。通常VectorBuilderのshRNAライブラリーは個々の遺伝子に対して5-6種の異なったターゲットシークエンスに対する shRNAs から構成されています。ターゲットシークエンスの ノックダウンスコアー は、TRCのRNAi consortiumのガイドラインに基づいて値を求め、高いノックダウンスコアーを出したシークエンスを選んでいます。その結果、信ぴょう性の高いノックダウンに基づいた効率的なスクリーニングが行えます。
高い均一性: プール型プラスミドライブラリーは次世代シークエンス法(NGS)で検証されています。エリート遺伝子ライブラリーでは、100%のshRNAsを、またホールゲノムライブラリーでは >97%のshRNAsをカバーしています。さらに、プラスミドライブラリー中のshRNAの再現性は高い均一性を保持しています (図2参照)。
図 2. プール型プラスミドライブラリーのshRNAの分布ヒストグラム。shRNAの読み取り数はNGSライブラリーサイズ(10million reads)で平均化され、log2スケールプロットしている。
 プール型shRNAライブラリーは第3世代のレンチウイルスベクターシステムを使っています。プロモーターはヒトU6プロモーターを採用しているため、様々な細胞で安定に遺伝子ノックダウンを行える高効率のシステムです。このレンチウイルスベクターシステムは、shRNAを細胞に永久的に、効率よく、均一に導入できるため、in vitro遺伝子スクリーニングに最も適しています。全てのプール型shRNAライブラリーは、機能的タイターが >108 TU/mlのready-to-useレンチウイルスとして提供されます。そのためウイルスパッケージングやタイター測定などの手間が大幅に省かれ、実験をただちに開始することができます。また、第3世代のレンチウイルスベクターシステムは、自己複製能を欠損しているため、バイオセイフティレベルが向上しています。
図 3. レンチウイルスshRNAノックダウンベクターマップ
導入細胞を効率よく選択/追跡できる二重マーカー: レンチウイルスベクターバックボーンには、ピューロマイシン耐性遺伝子(Puro)とEGFPを発現するカセットが組み込まれています。そのため、導入細胞はピューロマイシンで薬剤選択し、緑色蛍光で可視化できます(図4)。 
図 4. EGFP を発現している293T 細胞はヒトエリート遺伝子プール型shRNAライブラリー(MOI=10)を導入してる。図4はピューロマイシン(1.5 ug/ml)で選別をした4日後の細胞。倍率: 200x。左: 明視野イメージ。右:蛍光顕微鏡イメージでGFPを発現している細胞。
プール型ライブラリーの利点:  プール型RNAi スクリーニングは、アレイ型RNAi スクリーニングに比べて、数々の利点がある。比較を以下の表に示す:
アレイ型スクリーニング プール型スクリーニング
目的細胞へのshRNAsの導入方法 マルチウエルプレート(例 96-well、384-wellなど)で増殖している細胞に対してshRNAsを導入する。 細胞集団に対して、数百種や数千種のshRNAs を一度に導入する。
shRNAsに起因した目的の表現型の検出方法は? 対象としている表現型を示しているウエルを1つ1つ確認することで選択。それぞれのウエルに導入されているshRNAはこの段階で同定可能。 対象としている表現型を示している細胞は細胞集団として選択。エンリッチ/デプリートされた shRNAs はシークエンスで同定。
遺伝学的相互作用を検出できるか?

不可能(1種類のshRNAが1ウエルに加えられた場合 )または

限定的(1種類以上の shRNAs がウエルに加えられた場合).

可能 (細胞は複数のランダムコンビネーションのshRNAを導入されている)
操作テクニックに起因するデータのバリエーション
労力と試薬のコスト
専用機器の必要性 高 (例えば、リキッドハンドラー、ハイスループットイメージングなど) 低 (従来のラボベンチ設置の機器)
shRNAライブラリーの仕様と注文情報
製品名称 遺伝子数 shRNAs数 スケール * カタログ番号 参考価格(税抜き)
ヒト エリート遺伝子 プール型 shRNAライブラリー 2,161 12,471

中容量

(>1.0x108 TU/ml, 1 ml)

LVM(Lib190505-1037bjk)

339,000 円

639,000 円

マウス エリート遺伝子プール型shRNAライブラリー 2,233 12,472

中容量

(>1.0x108 TU/ml, 1 ml)

LVM(Lib190505-1039sgb)

339,000 円

639,000 円

ヒト ホールゲノム プール型shRNAライブラリー 18,432 92,917

中容量

(>1.0x108 TU/ml, 1 ml)

LVM(Lib190505-1038ngq)

339,000 円

639,000 円

プラス

(>1.0x108 TU/ml, 5 ml)

LV5M(Lib190505-1038ngq)

989,000 円

1,889,000 円

マウス ホールゲノムプール型shRNAライブラリー 19,790 92,917

中容量

(>1.0x108 TU/ml, 1 ml)

LVM(Lib190505-1042tfx)

339,000 円

639,000 円

プラス

(>1.0x108 TU/ml, 5 ml)

LV5M(Lib190505-1042tfx)

989,000 円

1,889,000 円

* エリート遺伝子ライブラリーは、中容量で >40 のスクリーニングを 100x shRNA カバーで行える。ホールゲノムライブラリーは、中容量で >5 のスクリーニングを100x shRNA カバーで行える。プラススケールライブラリーでは、>25 スクリーニングを 100x shRNA カバーで行える。
カスタムshRNAライブラリー:ヒトとマウスのカスタムshRNAライブラリー構築もご対応いたします。例えば、アポトーシスパスウェイ、細胞接着分子、p53パスウェイ、カイネースパスウェイ、JAK-STAT、ユビキチンライゲース、チロシンカイネースなどの様々なプール型shRNAライブラリーをカスタムで構築いたします。詳しくはご相談ください
NGSデコンボリューションサービス
スクリーニングした細胞のshRNAヒットを同定するには、細胞からゲノミックDNAを抽出してVectorBuilderにサンプルを送付してください。VectorBuilderにてQCチェック、NGSライブラリー調整を行い、ハイスループットシークエンシングを行います。NGSサービスは、イルミナ NovaSeq プラットフォームを相乗り価格でご提供いたします。NGSで得られたデータは、デコンボリューション後、サンプル当たりのshRNAカウントを納品いたします。
デコンボリューションサービスのお見積り依頼は、VectorBuilderホームページの デザインリクエストを送る からお受けしています。