コドン最適化

コドンはタンパク質合成において非常に重要な役割を担い、DNAまたはRNA配列上の遺伝子情報のタンパク質への翻訳を決定しています。

トリプレットコードをよく見ると、同じアミノ酸が複数のコドンによって指定されていることに気づきます。そして、生物種によって特定のコドンが多用されるバイアスがかかっていることが知られています。なぜ種特異的にバイアスがかかったコドン選択がなされているのかの理由は知られていません。しかし、このバイアスを利用し、効率よい組み換えタンパク質の発現を得るために、宿主コドンバイアスに目的発現遺伝子の配列を一致させることができます。特にタンパク質発現システムの宿主生物と、目的発現遺伝子が異種の組み合わせの場合は、宿主生物のコドンバイアスに一致させるように遺伝子配列をデザインします。

ベクタービルダーが提供するコドン最適化ツールはユーザーの目的遺伝子(GOI)をどの生物種でも最適なcodon adaptation index (CAI) が得られるようにプログラムされています。多くの生物種に対応し、当社のオンラインベクターデザインプラットフォームに連携して、最適化配列をベクターに直接デザインできるようになっています。コドン最適化は異種間配列に用いる以外にも、同一種配列にも用いることができ、GC含有量を調整しDNAのクローニング効率を上げる、mRNAの安定性を高める、転写や翻訳の効率を上げるなどの改善も可能です。さらに、このツールを使って、特定の制限酵素サイトを避けるように配列を再編集することも可能で、実験をうまく進める細工を施せます。

コドン最適化を始める

以下にコドン最適化ツールを使用した例を示します:

1. 目的生物種の最適コドンに配列を最適化するもっと見る

図1は、Trichoplusia niの天然型piggyBacトランスポゼース配列を、VectorBuilderコドン最適化ツールを利用してヒト細胞で発現するように最適化した例を示す。最適化前の配列ではCAIは0.69だが、最適化後の配列ではCAIが0.93になった。CAIは優先コドンの使用頻度を定量化し、CAI値を0〜1で求めている。発現目的生物種のCAI値が高いほど、目的発現系で最適に発現するコドンが選択されていることを示している。

図1. VectorBuilderのコドン最適化ツールを使用して目的生物種にコドンを最適化した 。

2. GC含有量が高い配列を最適化するもっと見る

図2は、全体のGC含量が69.3%のマウスHoxa4遺伝子をツールを使用して最適化すると、GC含量が59.5%に低下したことを示している。ベクタークローニングに遺伝子合成が必要な場合、遺伝子合成の成功を高めるために、約60%の最適なGC含量が推奨される。

図2. VectorBuilderのコドン最適化ツールを使用してGC含量を低下させた。

3. 反復領域のある配列を最適化するもっと見る

図3は、ヒト免疫グロブリン重鎖配列を最適化ツールを使用したコドン最適化の前後で、比較したドットプロットを示している。最適化前のドットプロットは、複数の対角線で示される反復性の高い領域が全配列に存在することを示しているが、最適化後のドットプロットでは、配列の最適化により、反復性が大幅に減少した。

図3. VectorBuilderのコドン最適化ツールを使用して反復領域を減らした。

注意:GenBankまたはFASTAフォーマットを使ってください。


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