水泡性口炎ウイルス (VSV)作製サービス

組み換え水泡性口炎ウイルス(VSV)ベクターは、宿主細胞へのウイルス侵入のメカニズムの研究、細胞侵入のためにウイルスが利用する細胞受容体の同定、ウイルス侵入阻害剤のスクリーニング、ワクチン開発研究など、さまざまな用途に広く使用されています。 VSVベクターは、高レベルの封じ込めを必要とするウイルスのエンベロープタンパク質など、異種ウイルスに由来するエンベロープ糖タンパク質で効率的にシュードタイプ化できるため、高リスクウイルスの侵入メカニズムの研究に非常に適しています。 

VectorBuilderは、当社でベクター構築したVSVプラスミドベクターから受託作製する組み換えVSVウイルスについて、タイター、純度、生存率、コンシステンシーの点で組み換えVSV作製プロトコルを大幅に改善した独自技術と試薬を開発しました。当社の組み換えVSVシステムをお試しください。

ご提供しているVSVウイルスの種類
  • VSVウイルス:VSV G タンパク質シュードタイプ
  • VSVウイルス:コロナウイルスS タンパク質(WTまたはバリアント)シュードタイプ
  • VSVウイルス:その他ご希望のエンベロープタンパク質のシュードタイプ
  • Bald(禿)VSV:エンベロープタンパク質欠損型  (ネガティブコントロールとして)

VSV受託作製サービスの詳細

価格と作業日数
スケール 推奨使用系 タイター 容量 価格 (税抜き) 作業日数
VSV : VSV Gタンパク質シュードタイプ
中容量 培養細胞 >108 PFU/ml 1 ml (10x100 ul) 117,000円 28-35 日
大容量 >109 PFU/ml 169,000円
超純粋中容量 培養細胞 & in vivo >108 PFU/ml 208,000円
超純粋大容量  >109 PFU/ml

468,000円

35-42 日
VSV: SARS-CoV-2 S タンパク質(WTまたはバリアント)シュードタイプ (トランスジーン:LucまたはEGFP)
中容量 培養細胞 >106 PFU/ml 1 ml (10x100 ul) 234,000円 28-35 日
大容量 >107 PFU/ml 338,000円
VSV : SARS-CoV-2 Sタンパク質(WTまたはバリアント)シュードタイプ  (カスタムトランスジーン)
中容量 培養細胞 >106 PFU/ml 1 ml (10x100 ul) 234,000円 42-56 日
大容量 >107 PFU/ml 338,000円

PFU = プラーク形成ユニット

納品形態
培養細胞用スケール 超純粋スケール
カスタムVSV カスタムVSV

無料: 標準コントロールウイルス

  • 中容量: >108 PFU/ml, 2x100 ul
  • 大容量: >108 PFU/ml, 2x100 ul

  追加購入(オプション): 超純粋標準コントロールウイルス

  • 超純粋中容量: >108 PFU/ml, 10x50 ul, 78,000円
  • 超純粋大容量: >109 PFU/ml, 10x100 ul, 156,000円

email添付:カルタヘナ法26条1項情報公開書類、品質検査証明書(COA)

emali添付:カルタヘナ法26条1項情報公開書類、品質検査証明書(COA)

既製標準コントロールウイルス

カスタムウイルスをご購入いただく場合、 弊社既製品のコントロールウイルスを無料(パイロット、中容量、大容量用)または割引特価(超純粋中容量、超純粋大容量用)でご提供しています。既製標準コントロールVSVは、感染効率の最適化などの目的に使用していただけるコントロールウイルスです。例えば、カスタムウイルスが目的遺伝子の強制発現系であれば、コントロールはEGFPを強制発現するウイルスです。厳密なカスタムコントロールが必要な場合は別途デザインとお見積りをご依頼ください。コントロールウイルスの詳細を以下に示します:  

ベクターシステム コントロールベクター名称 Vector ID
VSV遺伝子発現システム  pVSV[Exp]-EGFP VB900106-5583aaf
保存方法

当社のVSVはHBSSバッファーの溶液で分注され、凍結したものをドライアイス梱包で出荷・納品します。お受け取り後は、-80°Cで長期間(6か月)は安定です。-20°Cでは短期間(1週間)の安定保存が可能です。貯蔵寿命(シェルフライフ)は約1年です。 タイターの大きな低下を避けるために、ウイルス液の凍結融解を繰り返すことは避けてください。

技術的情報

VSVウイルス作製と品質検査 

VSVパッケージングでは(図1)、目的遺伝子をクローニングした糖タンパク質G遺伝子欠損VSV-delta G プラスミドと、4種類のヘルパープラスミド(VSV N, P, G と L タンパク質を発現)を、バクテリオファージT7RNAポリメレースを発現する組み換えワクシニアウイルスに感染させたウイルス産生細胞にトランスフェクトします。次に、これらの細胞から収集した上清を、VSV Gタンパク質を発現するプラスミドでトランスフェクトされた新しいディッシュに添加し、GコンプリメントVSVストックを生成し、増幅します。次に、VSVシュードタイプは、異種ウイルスエンベロープタンパク質を発現するプラスミドを一過性にトランスフェクトした細胞にGコンプリメントVSVを感染させることによって生成されます。超純粋VSV(in vivo)の場合、ウイルス粒子はショ糖密度勾配遠心分離によってさらに精製され、濃縮されます。VSVのタイターは、プラークアッセイを使用して測定します。

図1. VSVパッケージングのワークフロー

VectorBuilderによって生成された各組み換えVSVの品質管理には、タイター測定、細菌および真菌の無菌試験、およびマイコプラズマ検出試験が含まれます。 VSV-delta Gベクターに蛍光タンパク質がコードされている場合、対応する蛍光を検出するために培養細胞に形質導入テストを実行し、目的の蛍光タンパク質の発現確認を行います。 VSV-delta Gベクターが薬剤選択マーカーをコードしている場合、形質導入試験を実施した後、対応する薬剤選択を行い薬剤耐性遺伝子発現の確認を行います。さらに、超純粋VSVは、エンドトキシンアッセイを定期的に実施してエンドトキシンレベルをチェックしています。

実験による検証

VSVパッケージングプロトコルを最適化するために、独自の技術を数多く開発してきました。その結果、最適化されたウイルスは、公開されているプロトコールに比較して、はるかに高い形質導入効率(図2)を示すことを当社R&Dによって確認しています。

Before transduction After transduction

図2. VSV Gタンパク質シュードタイプVSVをBHK-21細胞に形質導入した。イメージは形質導入前24時間と形質導入後24時間に撮影。倍率: 100x. 左:明視野像、 右: 蛍光GFP像。

さらに、SARS-CoV-2Sタンパク質(WT)、D614Gバリアントを使用してVSVシュードタイピングプロトコールの広範な実験的検証を実施しました。その結果、SARS-CoV-2 Sタンパク質とD614GバリアントのシュードタイプVSVは、ヒトACE2受容体を高レベルに発現するBHK-21細胞に効率的に形質導入できるが、ACE2が発現しないまたは発現が低いBHK-21細胞には形質導入ができないことを蛍光レポーターの発現を確認することで示しました。(図3)。したがって、SARS-CoV-2Sタンパク質(WTまたはバリアント)シュードタイプVSVに形質導入用に最適化された ACE2安定発現細胞株 をお使いいただけます。

S-pseudotyped VSV D614G S-pseudotyped VSV

BHK-21 cell line BHK-21-ACE2 cell line

図3. SARS-CoV-2 Sタンパク質(WT)シュードタイプVSV、 SARS-CoV-2 Sタンパク質(D614Gバリアント)シュードタイプVSVは、ヒトACE2受容体を過剰発現するBHK-21細胞に特異的に感染した。イメージは形質導入後24時間で撮影。倍率: 100x.

ご注文方法

プラスミドベクター構築とウイルスパッケージングを同時注文する場合
ウイルスパッケージングのみ注文する場合(ユーザー提供プラスミド、または弊社にストックしたベクター) 

ウイルスパッケージングのみ注文する場合(ユーザー提供プラスミド、または弊社にストックしたベクター)

ユーザー提供のVSVウイルスプラスミドを使用するウイルスパッケージングをご依頼の場合は マテリアルサブミッションガイドライン に従ってマテリアルを準備し、弊社に発送してください。ーザーからご提供されるマテリアルはVectorBuilderでお受け取り後、品質検査(QCチェック)に合格することを必須条件としています。QCチェックは、マテリアルごとに14,000円~、の追加料金が発生する場合があります。さらにQCチェックに合格するまで、ご依頼の受託サービスが開始することができません。そのため、正しくマテリアルを準備、発送し、プロジェクトが遅延しないよう心がけてください。

Q&A

ベクタービルダーのVSVタイター測定方法を教えてください。

VSVタイター測定はプラークアッセイを用いています。適切な培養プレートに単層に細胞を生やし、ウイルスを希釈系列し細胞に感染させます。ウイルスに感染した細胞から放出されたウイルスは隣接する細胞のみに感染し、プラークと呼ばれる感染細胞単位を培養プレート上に可視的に形成します。各プラークはもともと単一ウイルスの単一細胞への感染に由来するため、ウイルスストックのタイターはプラークの数を数えて決定します。

VSVウイルスベクターのバイオセイフティーレベルを教えてください。また使用にあたって日本の担当省庁への届出は必要ですか?

VectorBuilderによって生成された組換えVSVベクターは、エンベロープ糖タンパク質G遺伝子が削除されているため、ウイルスの自己複製が限定されています。そのため、高レベルの生物的封じ込めを必要とするウイルスなどのエンベロープタンパク質は、シュードタイプVSVの生成にトランスで供給することができます。 シュードタイプVSVでは、一度のみの自己複製に複製能が限定されているため、通常のBSL2で扱うことができるようになっています。これにより、VSVベクターは、高レベルの封じ込めを必要することなく、高リスクウイルスの細胞侵入メカニズムを研究することに適しています。

組み換えVSVを用いる研究は、所属機関の組み換えDNA実験安全委員会の指示に従い、研究目的に相当するバイオセイフティー基準を満たし、各担当省庁のカルタヘナ法指針に基づいて拡散防止措置を取り安全に十分注意して実施してください。シュードタイプVSVは届出伝染病等病原体所持の手続きが必要です。当社のVSVはIndiana株です。

VectorBuilderの作業日数について教えてください。

作業日数は、弊社で受注後製造が開始し、QCに合格するまでの日数です。お客様から提供されたマテリアル(テンプレートDNAやウイルスベクターなど)の待ち時間、マテリアルのQCチェックに合格するまでのチェック日数、そして完成したウイルスを弊社製造拠点から出荷してお客様に納品するまでの移動日数は含まれません。