cliniVec™ ベクター開発サービス

ベクタービルダーのcliniVec™は、プラスミドベクターの開発プログラムで、基礎研究から臨床研究にスムーズに移行できるよう、プラスミドベクターに検証を施す高度受託サービスです。 遺伝子・細胞医薬品開発では、有効性、安全性、製造能などの重要な要素が慎重に検討される必要があります。 当社のcliniVec™プログラムでは、ベクタービルダーのcliniVec™専属ベクターデザインチームを中心に、前臨床試験と臨床試験のためのベクターデザインを多角的に評価しベクターを開発します。

This seamless progression necessitates careful consideration of key factors such as the efficacy, safety, and manufacturability of cell and gene therapy drug products. ベクタービルダーのcliniVec™専属ベクターデザインチームは、クライアントの遺伝子医薬品や細胞医薬品の開発の必要性に沿った前臨床ベクターをデザインします。前臨床開発の早い段階でベクターデザインの最適化を行うことで、大幅な時間の節約になり、費用対効果の高い前臨床試験の実施が可能になります。

最適なベクターデザインは有効性に不可欠です

ベクターデザインは遺伝子・細胞医薬品の有効性を左右します。そのため、ベクターデザインの最適化は、様々な必要性に応じて細心の注意を払って最適化される多面的プロセスです。ベクター内の各構成因子は、最適な機能を発揮するために熟考して設計され、実験による検証がなされなければなりません。例えば、プロモーターは遺伝子の発現レベルに大きな影響を与えるため、プロモーターエンジニアリングでは、シークエンスを注意深く改変し、ベクターの有効性を高めるよう検証します。また、遺伝子のコーディングシークエンスの最適化は、治療における遺伝子の正確な翻訳を保証するだけでなく、効率的な発現をも促進します。さらに遺伝子・細胞医薬品開発においては、GC含量やCpGアイランドの最適化、クリプティックスプライシングサイトや未成熟PolyAシグナルなどの対処、最適なmRNA/IDRの三次構造低減など、戦略的対策が必要となります。このような複雑な要素を考慮に入れたベクターデザイン最適化の成果として、効率的な翻訳、そして治療成果の向上が実現できます。

ベクターシークエンス以外にも、意図しない相互作用のリスクを最小限に抑えつつ円滑な機能を発揮するために、各構成因子のアレンジにも注意を払う必要があります。効率的な遺伝子デリバリーのために適切なベクター・システムを選択して、特定の組織をターゲットとするエンベロープタンパク質やカプシドの最適化などについて考慮することも、臨床試験を成功させるために重要です。cliniVec™デザインチームは、毎年数千の研究用カスタムベクターをデザインしてきた豊富な経験を蓄積しており、前臨床および臨床研究用ベクターデザインを改善するための最良の方法について実績に基づいたアドバイスが提供できることを強みとしています。

Case study of improved vector efficacy

図1. プロモーター配列最適化による有効性の検証。ある遺伝性疾患を模倣したトランスジェニックKOマウスに対して、プロモーターシークエンスにバリアントを導入し7種類の遺伝子組換えAAV9を製造し、KOマウスに投与し、マウスの生存率を検証した。プロモーターシークエンスのバリアントによって、生存日数の違いが得られている。Control Mutant:ウイルス非投与KOマウス、Control Wild-Type: ウイルス非投与野生型マウス、Ver1~Ver 7: プロモーターにバリアントをもつAAV9を投与された各KOマウス。

安全性の検討を前臨床ベクターデザインで

遺伝子細胞治療用ベクターの安全性を確保することは、臨床応用を成功させる上で最も重要です。遺伝子細胞治療薬開発者は、プラスミドDNA製造の際の抗生物質の選択、ウイルス由来因子、ベクター成分の毒性と免疫原性など様々な項目を考慮、検証する必要があります。例えば、基礎研究で使用するプラスミドDNAの選択培養に伝統的に使用されている抗生物質の多くが臨床規制をクリアーしていないため、前臨床ベクターで抗生物質選択マーカーを再検討することが必要です。一般的に前臨床試験ではカナマイシン耐性でプラスミドDNAを選択培養することができますが、さらに安全性を強調するために、弊社の最新のminiVec™の使用で抗生物質フリーの精製プラスミドDNAを前臨床ベクターに使うことが可能です。また、一般的なWPRE調節エレメントは、コードされるORFに対する安全性の懸念があるため、WPRE3またはWPRE変異体などの代替物の使用が推奨されます。

安全性プロファイルが強化されたminiVecTMプラスミドの詳細はこちらから

製造能は前臨床の段階で検討されるべき

遺伝子治療ベクターの製造能の検討では、上流および下流工程のスケーラビリティー、ベクター収量および品質の再現性、ならびに法規制の遵守を確実にするために、複数の考慮すべき事項があります。例えば、ベクターバックボーンの検討、宿主株の最適化、培養条件検討によるプラスミドやウイルスの収率の最適化などは、ベクターの製造量と品質を最大化するために不可欠です。前臨床ベクターの比収量と体積収量の最適化によって、より高品質のDNA製造とよりコスト効率の高い製造が可能になります。

Yield optimization through backbone engineering

図2. ベクターバックボーンと宿主株の最適化による収率の最適化。ベクターコンストラクトを異なるバックボーンにクローニングし、ラボスケール培養を行い、比収率(バー)と体積収量(ドット)を検討した。WCW(Wet Cell Weight)

シークエンスのスクリーニングの専門家

cliniVec™デザインチームは、ベクタービルダーのin vitroおよびin vivoスクリーニングサービスと密接に連携し、治験目的の多種多様なベクターシークエンスをスクリーニングしています。これには、遺伝子デリバリーのカプシドのスクリーニングに加え、プロモーターシークエンス、コーディングシークエンスも含んだ多面的なスクリーニングアプローチが含まれます。ライブラリー構築からNGS検証まで、end-to-endのスクリーニングサービスを提供しています。最高水準の精度と信頼性を満たす、オーダーメードのスクリーニングソリューションを提供するcliniVec™デザインチームと提携することで、臨床ベクター開発を成功に導いてください。

Optimization of vector delivery shells through AAV capsid evolution

図3. AAVカプシド指向性進化受託サービスで弊社が提供しているカプシド最適化による遺伝子デリバリー向上例。従来型AAVセロタイプとAAVカプシド指向性進化とスクリーニングにより単離した新規AAVカプシドによるマウス頚椎への遺伝子(CMV>EGFP)導入効率の比較。