バキュロウイルス作製サービス
タンパク質の機能解析には大量のタンパク質の調整が必要です。しかし、真核生物のタンパク質を生理活性を保持した状態で大量に調整することは、大腸菌を用いた原核生物細胞の発現系では困難です。バキュロウイルスを用いた昆虫培養細胞および哺乳類細胞の発現系では、ほぼ正しいフォールディングを取り、糖鎖などの翻訳後修飾を受けた組み換えタンパク質の大量発現が可能で、様々な用途に応用できる強力なシステムの1つです。
VectorBuilderは、タイター、純度、生存率、発現させた組み換えタンパク質の品質の均一性を向上させるため、R&Dにてバキュロウイルスパッケージのプロトコールを大幅に改善しました。また独自の技術と試薬を開発しています。顧客満足度の高い受託サービスの一つです。
ご提供しているバキュロウイルスの種類
- バキュロウイルス株 AcMNPV (Autographa californica multicapsid nucleopolyhedrovirus)
バキュロウイルス受託作製サービスの詳細
価格と作業日数 (価格は4月3日2021年より) プライスマッチ
スケール | 推奨使用系 | タイター | 容量 | 価格 (税別、送料別) | 作業日数 |
---|---|---|---|---|---|
中容量 | 培養細胞 | >106 PFU/ml | 1 ml (10x100 ul) | 101,000円 | 15-22日 |
大容量 | >107 PFU/ml | 170,500円 | 22-29日 |
PFU = Plague forming units
価格は予告なく変更される場合があります。
納品形態
カスタムバキュロウイルス |
無料:標準コントロールウイルス
|
既成標準コントロールウイルス
既製標準コントロールのバキュロウイルスは、感染効率の最適化などの目的に使用していただけるコントロールウイルスです。例えば、カスタムバキュロウイルスが目的遺伝子の強制発現系であれば、コントロールはEGFPを強制発現するバキュロウイルスです。実験系に対する新のコントロールが必要な場合は、別途ベクターデザインとお見積りが必要です。既製標準コントロールウイルス仕様を以下に示します:
ベクターシステム | 標準コントロールウイルス名称 | コントロールベクターのベクターID |
---|---|---|
バキュロウイルス組み換えタンパク質過剰発現システム | pBV-EGFP | VB010000-9305vtu |
納品形態と保存方法について
バキュロウイルスはDPBSバッファー溶液でチューブに分注され、凍結したものをドライアイス梱包で出荷・納品します。お受け取り後は、-80°Cで長期間(6か月)は安定です。-20°Cでは短期間(1週間)の安定保存が可能です。大きなタイターの低下をさけるため、バキュロウイルスの凍結融解の繰り返しは避けてください。
技術的情報
バキュロウイルス作製と品質検査
バキュロウイルスは、目的の遺伝子(GOI)を運ぶバキュロウイルスのトランスファープラスミド(ドナーベクター)を、Tn7トランスポゼースを発現するヘルパープラスミドを、空のバキュロウイルスシャトルベクター(別名バクミド)を持つ大腸菌宿主に同時形質転換することで組み換えバクミドを構築します。次に、組み換えバクミドを昆虫のSf9細胞にトランスフェクトします。短時間のインキュベーションの後、ウイルス粒子を培地から回収し、ショ糖クッション遠心分離によってさらに濃縮します。 qPCRベースのアプローチを使用してバキュロウイルスのタイターを測定します。
VectorBuilderで受託作製されたバキュロウイルスの品質検査には、タイター測定、細菌と真菌の無菌試験、およびマイコプラズマの検出が含まれます。トランスファーベクターが蛍光タンパク質をコードしている場合は、ウイルスを細胞に形質導入し、対応する蛍光の発現を検出し合格することで出荷に入ります。
ご注文方法
ユーザーがお持ちのバキュロウイルス用ドナープラスミドやバクミドから、バキュロウイルス粒子の受託作製も受注しています。プラスミドやバクミドは マテリアルサブミッションガイドラインに沿って弊社にお送りください。輸送遅延やサンプルのダメージを避けるためにガイドラインに従ってマテリアルの発送準備と発送を行ってください。お受け取りしたマテリアルはQCチェックを行います。一律16,000円のQCチェック費用をお見積りに加算させていただいています。 QCチェックに合格後、ご注文のウイルスパッケージングサービスを行います。ウイルスパッケージングのお見積りの作業日数には QCチェックにかかる日数(通常5営業日)は含まれていません。あらかじめご了承ください。