標準プラスミド植物遺伝子発現用ベクター

概要

標準的なプラスミドベクターを使用した植物細胞の遺伝子導入法は幅広く利用されています。プラスミドの導入方法としてパーティクルガン法、ケミカルトランスフェクション法、エレクトロポレーション法などがあります。アグロバクテリウムバイナリーベクターシステムなどの遺伝子導入法も開発されていますが、これらの方法は簡便であり、多くの植物や細胞タイプに対して効果的であることから今でも頻繁に使用されています。標準的なプラスミドベクターの特徴はその一過性で、プラスミドベクターのゲノムへの安定した挿入はごく一部の細胞(通常1%未満)にのみ起こります。

 

当ベクターシステムに関する詳細な情報ついては下記の論文を参照ください

References Topic
Biolistic and other non-Agrobacterium technologies of plant transformation, In Plant Biotechnology and Agriculture. Academic Press, San Diego, 2012, Pages 117-129 Overview of plant transgenic methods using regular plasmid vectors.
GM Crops. 1:276 (2010) Overview of plant transgenic methods.

特徴

当社の標準的なプラスミドベクターは大腸菌で高コピー数の複製、そして植物への高い導入効率と遺伝子発現量を可能にします。

メリット

簡便さ: パーティクルガン法、ケミカルトランスフェクション法、エレクトロポレーション法を利用した細胞へのプラスミドベクターの導入は簡単であり、特別なバクテリア株やクローニングを必要としません。

大きなサイズDNAが許容可能: 当社のベクターは全体で∼30kbまでのDNA配列を許容できます。プラスミドのバックボーンは3kbほどでしかないので多くのDNA配列を組み込むことができます。

高レベル発現: 標準的なプラスミドベクターは高コピー数(細胞あたり数千コピーまで)で導入されるので、非常に高い発現レベルを得ることができます。

デメリット

ベクターDNAがゲノムへ挿入されない: 通常、標準的なプラスミドベクターはエピソーマルDNAとして維持されます。低確率でプラスミドが宿主ゲノムへ挿入されることはあります。プラスミドが薬剤耐性遺伝子をもつならば、培養期間を延ばした薬剤選択によってプラスミド挿入が起こった細胞を選別することができます。

使用可能な細胞タイプが限定される: 遺伝子導入効率は細胞タイプによって大きく変わります。

導入コピー数にばらつきが大きい: 非常に高いコピー数の導入が可能ですが、導入されるコピー数は細胞ごとに大きなばらつきがあります。

基本コンポーネント

Promoter: 遺伝子発現用プロモーター。

Kozak: Kozak配列。真核生物での翻訳開始を促進すると考えられているためORFの開始コドンの前に配置される。

ORF: 目的遺伝子のORFをここに配置する。

Nos pA: Agrobacterium tumefaciens由来のノパリンシンターゼポリアデニレーションシグナル。上流ORFの転写停止を促進する。

Ampicillin: アンピシリン耐性遺伝子。 E.coliへのアンピシリン耐性によるプラスミドの維持を可能にする。

pUC ori: pUC複製起点。E.coliでプラスミドを高コピー数で維持する。