MSCV 5' LTR: PCMV 由来の5' long terminal repeat。LTRはプロモーターとポリアデニレーションシグナルの両方の機能があり、5‘LTRはウイルスゲノムを転写するプロモーターとして、3‘LTRは転写終了させるためのポリアデニレーションシグナルとして機能する。当ベクターの5’LTRはMMLVレトロウイルスベクターと異なり、ES細胞やEC細胞のような多能性細胞株での標的遺伝子の転写を活性化する様に改良されている。
MSCV Ψ+:マウス胚性幹細胞ウイルスのパッケージングシグナル。ウイルスRNAをウイルスにパッケージングする。
Kozak: Kozak配列。真核生物での翻訳開始を促進すると考えられているためORFの開始コドンの前に配置される。
CD8-leader: T細胞表面の糖タンパク質CD8 alphaドメインのシグナルペプチド。タンパク質のT細胞表面への輸送と局在に必要。
scFv: 特異性が確認されているモノクローナル抗体由来の単鎖可変領域フラグメント。抗原特異性にしたがって細胞を認識する。
Hinge: CARの細胞外ヒンジ領域。scFVと膜貫通ドメインを連結して、CARタンパク質発現と機能の安定性と柔軟性をもたらす。
Transmembrane domain: CARの膜貫通ドメイン。CARを細胞膜につなぎ留め、抗原結合ドメインと細胞内シグナルドメインの橋渡しをする。受容体の発現と安定性を高める。
Costimulatory domain: CARの共刺激ドメイン。CAR-T細胞の生存率、増殖率および活性化状態の持続性を上昇させる。
CD3zeta: T細胞受容体のCD3ζ鎖。T細胞による免疫反応を活性化する。
MSCV 3' LTR: PCMV 由来の3’ long terminal repeat。ウイルスRNAのウイルスへパッケージングを助ける。ES細胞やその他の細胞タイプでウイルスRNAのポリアデニレーションシグナルとして機能して転写を停止する。
Ampicillin: アンピシリン耐性遺伝子。 E.coliへのアンピシリン耐性によるプラスミドの維持を可能にする。
pUC ori: pUC複製起点。E.coliでプラスミドを高コピーで維持する。