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作製したウイルスのタイターが低い

ベクタービルダーのウイルス作製サービスを利用しないで、当社からウイルスベクターを購入されてご自身でウイルス作製をなされる場合、半分以上のケースで理想的なレベルと比べて得られるタイターが明らかに低くなることがあります。このことを御不満に思われ、多くの場合、その原因を当社のベクターに求められることがありますが、当社のウイルス作製サービスを利用していただければ当社のベクターが良好なタイターを生み出せることを御理解いただけます。

ベクタービルダーのウイルス作製サービスはたとえ困難なベクターの場合でも、幅広く最適化されたプロトコールと独自の試薬と技術を使用して高タイター、高純度そして再現性の高い結果を保証します。ウイルス作製サービスを使わない場合は最適化がされていない標準的なプロトコールを使うことになり、経験の不足とも重なってタイターが低くなってしまいます。当社のベクターに第二世代のレンチウイルス作製システムを間違って使用する(当社のベクターはすべて第三世代です)、不適当なパッケージング用細胞やヘルパープラスミドを使うような初歩的な間違いをすることもあります。個々人の技術以外にも様々な理由から本質的にパッケージングが難しいウイルスベクターがあります。よくあるケースとして毒性を持つ遺伝子を持つベクターがパッケージング細胞を殺したり、弱らせてしまうことがあります。VectorBuilderは毒性を持つ遺伝子による影響を克服してウイルスを作製できる独自技術を開発しています。他に、ベクターに挿入するDNA断片のサイズが大きすぎてウイルス作製を阻害するケースもあります。挿入するDNAのサイズはレンチウイルスでは6.4kb、アデノウイルスでは8.3kb、AAVでは4.7kbそしてMMLVでは5.5kbを超えないようにしてください。挿入DNAサイズが上記の限界を超えてしまうとウイルス作製を阻害的な影響が起こることがあります。また、ウイルスベクターが非常に高いGC含有率を持つと(数百bpにわたって70%以上)、作製効率が減少することもあります。

適切に作製された高タイターのウイルスも時間経過とともにタイターが減少します。特にレンチウイルスの場合は顕著で、‐80℃で保存されていなかったり、凍結‐解凍を繰り返すと急速に不安定化して感染能力を失います。アデノウイルスやAAVはより安定していますが、長期間冷凍保存されなかったり適切に扱われなかったりすると感染能力を失うことがあります。

時によっては、ベクタービルダーが作製したウイルスを使って実験しているとき、表示されている値よりもタイターがずっと低いのではないかとの誤った印象を持つかもしれません。タイターの測定に使った細胞とは異なる、形質転換が難しい細胞を使っているとこのようなことが起こりやすくなります。また、蛍光もしくは薬剤選択マーカーを発現している細胞の数を形質転換の指標にするとタイターの過小評価につながりやすくなります。理由としては、蛍光もしくは薬剤選択マーカーはサイレンシング等のために宿主細胞で検出可能なレベルで発現しないことや、ひとつの細胞に対して多重感染がおこることが挙げられます。そのため、大規模な形質転換実験を実行するまえには、まずウイルス作製に使用予定の細胞でいくつかの多重感染条件に関するテストをして最適な条件を見つけることをお勧めします。

当社はレンチウイルス、アデノウイルス、AAVそしてMMLVのウイルス作製サービスを提供しています。当社のウイルスベクター作製に最適化された独自のウイルス作製用試薬、細胞そしてプロトコールをご利用されることをお勧めします。大抵の場合、自身で作製するよりも、当社は高タイター、高純度、そしてより安定したウイルスを生産することができます。そして当社の価格は競争力があり、自身で作製するよりも結果的に安くなることをご理解いただけるでしょう。

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