in vitroとin vivo環境のpiggyBacシステムの使い方
当社のpiggyBacシステムはE.coli用に設計された2つのベクター(ヘルパープラスミド、トランスポゾンプラスミド)で構成されています。ヘルパープラスミドはトランスポザーセを保有し、トランスポゾンプラスミドは転移させる領域を挟むかたちで二つのITR(inverted terminal repeat)を保有しています。この領域にクローン化された遺伝子(もしくは任意のDNA断片)が宿主細胞に導入されます。
ヘルパープラスミドとトランスポゾンプラスミドが宿主細胞に同時導入されると、ヘルパープラスミドからのトランスポザーセがトランスポゾンプラスミドの2つのITRを認識して、ITRとはさまれた領域を宿主のゲノムに挿入します。染色体上のTTAA配列を標的として挿入され、挿入されたDNAの両端にTTAA配列が複製されます。
培養細胞でのpiggyBacベクターシステムの利用は比較的簡単で、ヘルパープラスミドとトランスポゾンプラスミドの連続トランスフェクションもしくは同時トランスフェクションするのみとなります。別の方法としてはトランスポゼースの代わりにエレクトロポレーション法も使えます。
生体へのプラスミドの導入を試みる場合は、トランスフェクションやエレクトロポレーションの効率が低下するため、2つのプラスミドの効率的な同時導入はより難しくなります。あらかじめトランスポザーセもしくはトランスポゾンのどちらかを導入してあるトランスジェニック系統を利用する方法もあります。それら2つのトランスジェニック系統の交配もしくは、それらへのプラスミドのトランスフェクションによって生体内でのトランスポゾンの転移を誘導できます(e.g. Ding et al. Cell. 122:473-83 and Horn et el. Genetics. 163:647-61)。
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