BAC編集(リコンビニアリング)受託サービス
VectorBuilderは、早い納期と他社が追随できない価格で顧客のBAC編集のニーズを満たします。
サービスの種類は、レポーターを調節領域の下流に組み込む、特定遺伝子に点突然変異を誘発する、BACの特定領域をプラスミドに移す、薬剤耐性選択マーカーや可視化マーカーを組み込むなど、様々なBAC編集に対応しています。
サービスの種類を以下の表に示します。各サービスの詳細は、ここ からご覧ください。
サービスの種類 |
参考価格 (税別) |
参考期間* |
作業内容 |
ノックイン | |||
EGFP, mCherry, LacZ, GCaMP6s, Luciferase, DTR | 353,000円 | 42-63 営業日 |
1ステップBAC編集で使われた、薬剤耐性カセットの除去。 |
476,500円 | 63-84 営業日 |
1ステップBAC編集で使われた、薬剤耐性カセットの除去。piggyBac ITRsがBAC骨格に付け加えられる。 |
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Cre, CreERT2 | 860,000円 | 98-119 営業日 |
1ステップBAC編集で使われた、薬剤耐性カセットの除去。BAC骨格のloxPサイトの除去。 |
860,000円 | 98-119 営業日 | 1ステップBAC編集で使われた、薬剤耐性カセットの除去。BAC骨格のloxPサイトの除去。BAC骨格にpiggyBac ITRsが付け加えられる。 | |
カスタムDNAフラグメント |
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点突然変異誘発 | |||
カスタム点突然変異誘発 | 672,000円 | 49-77 営業日 | 2ステップBAC編集 |
795,500円 | 70-98 営業日 | 2ステップBAC編集、piggyBac ITRsがBAC骨格に付け加えられる。 | |
loxPサイトをBAC骨格から除去 | |||
pBACe3.6 | 535,500円 | 63-84 営業日 | (注)pBACe3.6骨格上のloxPとloxP551サイトは、Creに作用してゲノムに不必要な組み換えを起こす可能性がある。 |
535,500円 | 63-84 営業日 | BAC骨格上のloxPサイトを除去する。piggyBag ITRsがBAC骨格に付け加えられる。 | |
その他 BACクローニングベクター |
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特定領域をBACからプラスミドに移す | |||
pStart-K | 360,000円 | 35-49 営業日 |
特定領域の長さは30Kbを超えない。 |
pStart-K-ITR | 360,000円 | 35-49 営業日 |
プラスミド骨格にpiggyBacのITRsを持つこと。 特定領域の長さは30Kbを超えない。 |
その他 プラスミド |
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マーカー、またはその他エレメントをBAC骨格に入れる | |||
Neo, Puro, piggyBac ITRs | 152,000円 | 35-42 営業日 |
マーカーやその他エレメントは、BAC骨格の中のloxPサイトに組み込まれます。 |
その他 エレメント |
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* 参考納期に含まれる日数は、注文がVectorBuilder側で受注され、最寄代理店に発送されるまでの営業日日数です。顧客提供のBACクローンなどの試料がVectorBuilderに到着するまでの必要日数は含んでいません。ご了承ください。
注:
a. 参考価格にはBACPACからBACクローンを入手する費用が含まれています。
b. 最終価格は使用するシークエンスの複雑度に因って異なります。見積書でご確認ください。
c. BAC編集サービスは、BAC骨格にloxPサイトを持っているBACクローンにのみ対応しています。BACPACリソースセンターから配布されるBACクローンの殆どは、loxPサイトを持っています。顧客提供のBACクローンに関しては、loxPサイトの挿入があることをご確認ください。
BAC編集サービスの注文方法は?
目的のBAC編集が既に決まっている場合は、ホームページの デザインリクエストを送る ボタンをクリックして編集内容をサブミットして下さい。例えば「遺伝子XXのプロモーターの下流にlacZレポーターをいれる。」など、簡潔に記載してください。
VectorBuilderの経験を積んだ研究者が、BAC編集の一連のストラテジーを無料でデザインして、ご返答します。返答には、価格と参考納期を共に記したプロポーサルが添付されています。プロポーサルの内容にご満足されれば、プロポーサルをショッピングカートに入れ、後はインストラクションに沿って発注作業に進むことが可能です。
BAC編集サービスの種類と内容
Vector Builder チームのエキスパート研究者が、個々のBAC編集に対して、詳細で効率的なストラテジーを無料で提供します。
既にお使いになるBACクローンのID番号をご存知の場合は、そのID番号をご連絡ください。まだ特定のBACが決まっていない場合は、デザインと遺伝子からVectorBuilderが最適なBACを探して、手配/入手します。
殆どのBACは、CHORIのBACPACリソースセンターから入手可能です。BACPACで扱われていないBACに対しては他サプライヤーから入手する場合があります。
既にお使いになるBACクローンが研究室にあり、その大腸菌ストック(スタブカルチャー)をVectorBuilderに発送できる場合は、BADクローンの手配は省略できます。
1ステップ編集は、遺伝子発現をモニターするレポーターをプロモーターの下流に組み込むなどの大きなシークエンス変更(Figure 1)や、点突然変異の誘発などの小さな変更(Figure 2)に用いられます。Figure 1で表したような大々的な変更は、lacZやGPFレポーターなど目的遺伝子(Gene of Interest: GOI)のDNAフラグメント、5'側と3'側の両方にFRTシークエンスのついた薬剤選択用カセットの2種類を、ターゲット遺伝子の相同シークエンスで挟み、エンドジナスな領域に対する相同組み換え法を使って、置き換えます。編集されたクローンは薬剤耐性カセットを持つため、薬剤セレクションによって、組み換えクローンの単離が可能です。薬剤耐性カセットは、Flpを介した組み換えで除去することができますが、クローンは1箇所FRTシークエンスを残します。

Figure 1. 目的遺伝子(gene of interest; GOI)のプロモーター下流に、lacZまたはGFPを導入するワンステップBAC編集の概要
点突然変異を導入する場合(Figure 2)、突然変異部を含んだDNAフラグメント、FRTシークエンスに挟まれた薬剤耐性カセットが、5'側と3'側の相同シークエンス配列に挟まれています。5'側と3'側のシークエンス配列に相当するエンドジェナスの配列間で相同組み換えが起こり、編集領域に置き換えられます。薬剤耐性カセットは、Flpを介した組み換えで除去でき、除去した後には1箇所のFRTシークエンスが残ります。この残されたFRTシークエンスは、組み換えの”傷”とみなしてもよく、なぜなら目的のBACクローンには目的の突然変異が組み変わっているからです。この"傷”FRTシークエンスが、目的遺伝子の機能に影響しないよう、通常、FRTシークエンスは、イントロンやUTRといった機能のない領域にデザインされています。

Figure 2. 目的遺伝子の第1エクソン内に点突然変異を導入し、下流イントロンに1箇所のみ残存FRTシークエンスがあるワンステップBAC編集の概要
2ステップ編集方法は、BACの中にFRTの傷を残すことなく、ポイントミューテーションなどの小さな編集を起こす際に使われています(図3を参照)。2ステップ編集方法は、編集を起こしたい近傍に、FRTの傷を残せる都合のいい場所がない場合などに、ワンステップ方法に比べて好まれて使われる方法です。例えば、編集したい遺伝子が大変大きい単一エクソンから成る遺伝子で、ポイントミューテーションをエクソンの真ん中に起こしたいが、近傍にFRTの傷を残せるイントロンがない場合。2ステップ編集方法を使うべきです。
2ステップ編集方法では、適切な薬剤耐性カセットをつかってポジティブまたはネガティブのスクリーニングを行います(図3を参照)。初回のリコンビネーションは、ポジティブセレクションを行うためのカセットを、ターゲット領域に相同組み換え法に寄って入れ込みます。次回のリコンビネーションでは目的の変異をもったシークエンスを相同組み換え法で置き換え、ネガティブセレクションを行うカセットに入れ替えます。

Figure 3. 残存シークエンスなしに、大きなシングルエクソンを持つ遺伝子に、点突然変異を導入する2ステップBAC編集の概要
BACのバックボーンに薬剤耐性や可視化マーカーを入れる
ネオマイシン耐性などの薬剤耐性選択マーカーやEGFPなどの可視化マーカーをBACのバックボーンに挿入することができます。ほとんどのBACはloxPサイトをそのバックボーンに含んでいます。このサイトを使って発現させたいマーカーを持つカセットを挿入します。この編集を施されたBACを持つ細胞は、トランスフェクションの成果を可視化マーカーの発現または薬剤耐性によって選別することができます。この方法は得にBACが安定にゲノム中に組み込まれ安定化した細胞系統を確立する際、有効です。
BACの特定領域をプラスミドに移す
VectorBuilderでは60kbまでのどのようなゲノム領域もプラスミドに移動させることができます。解析したい領域が隣接するシークエンスの影響なく行うことを可能にします。例えば、仮にBAC中に含まれる1遺伝子の機能を解析するために、完全長のBACクローンを使ってトランスジェニックマウスを確立したとします。同じBAC上にある他の遺伝子の影響で、正しい表現型の解釈ができていない可能性があります。遺伝子をプラスミドに移して単離し、 トランスジェニックマウスと確立することで、このような問題を事前に避けることができます。またBACに比べて、プラスミドの方が扱いやすいというテクニカルな利点もあります。
編集されたBACの領域はシークエンシングで確認します。時々、重複配列をもつ場合など、BACが欠失を起こしている現象が認められます。このような問題を最小に留めるため、VectorBuilderでは編集したBACを再度トランスフォームし、単一クローンを分離し、BACの完全長に対して複数のPCR反応を行うことによって、PCRで検出できるレベルの欠失が起こっていないことを確認します。
作製内容別の価格と作業期間
BAC編集の最終納品は、検証されたBACクローンをもったE.coliのストックです。BAC編集のサービスを全て外注した場合、多くのステップと関連作業が必要になるため、価格が比較的高額になります。しかしVectorBuilderは、外注は自作の場合よりも、ずっと経済的だと考えています。間違いに気づかず時間や材料を無題にしたり、また試料を集めるのに時間がかかったり、プロトコールを勉強したり、上手くいかなかった場合のトラブルシューティングなど、時間と労力があっという間に消えてしまいます。テクニックをハンズオンで学ぶのも大切ですが、出来あがったクローンの機能解析や、そこから派生する更なる研究に時間を割いてください。時間がかかり、すでに確立された作業であるBAC編集はVectorBuilderにお任せください。
BAC編集サービスの参考価格と作業期間:
作製内容 | 参考価格(税抜) | 作業日数* |
BAC編集方法のデザイン | 無料 | 1-4 営業日 |
BACクローンの入手 | 25,500円 | 1-2 週間 |
1ステップBAC編集 (薬剤耐性カセットを除去しない) |
253,500円より** | 2-4 週間 |
オプション:1ステップBAC編集で使った薬剤耐性カセットの除去 |
45,500円 | 1-2 週間 |
2ステップBAC編集 | 643,500円より** | 4-8 週間 |
BAC骨格に薬剤耐性、または可視化マーカーを組み込む*** |
123,500円より | 1-2 週間 |
BACの特定領域をプラスミドに移す |
331,500円より | 2-4 週間 |
編集したBACの検証 | 無料 | 2-3 営業日 |
* 参考納期に含まれる日数は、注文がVectorBuilder側で受注され、最寄代理店に発送されるまでの営業日の日数です。顧客提供のBACクローンなどの試料がVectorBuilderに到着するまでの必要日数は含んでいません。ご了承ください
** 最終価格は使用するシークエンスの複雑度に因って異なります。見積書でご確認ください
*** BAC編集サービスは、BAC骨格にloxPサイトを持っているBACクローンにのみ対応しています。BACPACリソースセンターから配布されるBACクローンの殆どは、loxPサイトを持っています。顧客提供のBACクローンに関しては、loxPサイトの挿入があることをご確認ください。