タンパク質 質量 – モル 変換
タンパク質の量を正確に測定することは、組換えタンパク質発現やウェスタンブロッティング、トランスフェクション、酵素アッセイなどの、分子生物学的実験に不可欠です。ベクタービルダーのタンパク質計算ツールを使うことで、正しい実験のセットアップに必要な、分子量とタンパク質量 (質量またはモル数) を簡単に求めることができます。
分子量計算
タンパク質の分子量を知ることは、ウエスタンブロッティングのような簡単な分子生物学の実験から治療薬開発まで、生物学的な研究において重要です。分子量は、分子中の陽子・中性子・電子の重量の合計として決定されます。生体分子の質量とモルを変換するには、まず分子量を求める必要があります。タンパク質の分子量を決定するには、タンパク質中の各アミノ酸の分子量を合計します。以下に、アミノ酸の一種であるセリンでの計算例を示します。なお計算ツールでは、アミノ酸配列の長さだけが入力された場合は、アミノ酸の平均分子量に長さを掛けた近似値を求めます。
図1. セリンの化学構造と分子量の計算例。
質量 - モルの変換
化学において、1モルはアボガドロ数 (6.02214076×1023) の粒子 (一般に原子または分子) を含む物質の量を表します。タンパク質を構成するアミノ酸 の分子量を合計して分子量を求めると、以下の式から、そのタンパク質の質量とモルを計算することができます。
タンパク質の質量 (g) = タンパク質のモル数 (mol) x 分子量 (g/mol)
図2. 分子量が既知のタンパク質におけるモル数と質量の計算式。