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標準プラスミド条件的遺伝子ノックアウトベクター(Floxed)

概要

標準プラスミド条件的遺伝子ノックアウトベクターは、哺乳類細胞と哺乳類生体内において遺伝子発現のCre媒介性条件的不活性化を組み込むためのシンプルで効率の良い方法です。このfloxedシステムは、コード配列のCre依存性欠失によって遺伝子発現の不活性化を容易にするために、目的遺伝子に両端にLoxP組換え部位を搭載しています。Creレコンビナーゼが存在していない状態で、目的とする遺伝子の発現が可能です。細胞内へCreが導入されることによって、目的の遺伝子は恒久的に切除されることになります。

当ベクターシステムはトランスジェニック動物の作製に特に適していますが、培養組織細胞にも利用することも可能です。当ベクターが導入されたトランスジェニック動物個体を、組織特異的Cre導入遺伝子が導入された個体と交配することで、当ベクターとCreの両方を持つ子孫が生まれ、Creが発現している組織細胞において目的の遺伝子をノックアウトできます。

当ベクターシステムを培養細胞に使用する際には、抗生物質または蛍光マーカー遺伝子を組み込むことで、ベクターが導入された細胞の選別でき、ゲノムに恒久的に挿入された細胞の単離も可能となります。当ベクターは単独では、LoxPペアを組み換えるのに十分ではありません。Creとの共発現が必要で、ヘルパーベクターかCre mRNAのどちらかが必要です。

当ベクターシステムとCreによる組換えに関する詳細な情報については、下記の文献を参照してください。

参考文献 トピックス
Mol Biotechnol. 16:151 (2000) Overview of vector design for mammalian gene expression
EMBO J. 12:2539 (1993) Transcription blocker prevent transcriptional interference
J Biol Chem. 259:1509-14 (1984) Purification and properties of the Cre recombinase protein
Genesis. 26:99-109 (2000) Review of the Cre/LoxP recombination system

特長

当ベクターは、哺乳類細胞と生体でのCreを利用した条件的遺伝子ノックアウトを可能にします。初期状態では目的の遺伝子が発現しますが、Creレコンビナーゼの共発現によって目的の遺伝子を取り除かれ、恒久的に発現を停止させることができます。

メリット

安定した遺伝子不活性化: Creレコンビナーゼは目的の遺伝子をコードする配列を恒久的に取り除き、その転写を防ぎます。

技術的な簡便さ: プラスミドベクターは従来の方法によって細胞に導入でき。パッケージング操作が必要なウイルスと比べると非常に簡便です。

大きなサイズDNAが許容可能: 当社のベクターは全体で~30kbのDNA配列を扱うことができます。当ベクターのバックボーン部分は3kbほどですので、残りを任意の目的で使用することができます。

高レベル発現: 従来のプラスミドベクターによる遺伝子導入法はしばしば非常に高いコピー数(数千コピー)を細胞に導入できます。これらの細胞は非常に高い発現量を持ちます。

in vivo用途に適している: 当ベクターは培養組織細胞への利用もできますが、Creによる条件的遺伝子ノックアウトを目的としたトランスジェニック動物の作製に特に適しています。

デメリット

ベクターDNAがゲノムへ挿入されない: 培養細胞に対してプラスミドベクターを使用した場合、非常に低い頻度(細胞タイプによって102-106細胞あたり1回)でのみ宿主ゲノムへ挿入されます。薬剤耐性や蛍光マーカーがプラスミドベクターに組み込まれているならば、薬剤選択やセルソーターによって挿入が起こった細胞を選別できます。

細胞タイプが限定される: プラスミドベクターの細胞への導入効率は細胞タイプに依存し、しばしば条件の最適化が必要です。プライマリー細胞は不死化細胞株よりも効率が悪くなります。いくつかの細胞タイプへの遺伝子導入は非常に困難になります。

導入コピー数にばらつきが大きい: 細胞あたりに導入されるベクターの平均コピー数は非常に高くなりますが、ばらつきが大きくなります(ある細胞は非常に高コピー数だが、別の細胞は数コピーしかない、等)。一方でウイルスによる遺伝子導入法はこのようなばらつきは小さくなる傾向があります。

基本コンポーネント

Promoter: 目的の遺伝子を発現させるプロモーター。 

LoxP: Creレコンビナーゼの組換え配列。Cre存在下で2つのLoxP配列間のDNA配列が取り除かれます。

Kozak: Kozak配列。真核生物での翻訳開始を促進すると考えられているためORFの開始コドンの前に配置されます。

ORF: 発現させたい目的遺伝子。

SV40 late pA: SV40(Simian virus 40)のlateポリA付加シグナル。上流遺伝子の転写終結に重要です。

CMV promoter: ヒトCMV immediate earlyプロモーター。マーカー遺伝子の発現をユビキタスに促進します。

Marker: 薬剤選択用遺伝子(ネオマイシン耐性など)や視覚化用遺伝子(EGFPなど)、もしくはデュアルレポーター遺伝子(EGFP/Neoなど)。ベクターが導入された細胞の薬剤選択もしくは可視化を可能にします。

BGH pA: ウシ成長ホルモンポリA付加シグナル。上流ORFの転写を終結させます。

pUC ori: pUC複製起点。E.coliでプラスミドを高コピーで維持します。

Ampicillin: アンピシリン耐性遺伝子。 アンピシリンによってプラスミド導入大腸菌を選択します。

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