ベクター名称はどのように決定されますか?

ベクターに使われているコンポーネント(例えば プロモーターやORFなど) は、ほとんどの場合、自動的に名前が割り当てられます。VectorBuilder ポータルではこれらのコンポーネント名は、最終ベクター名称に自動的にアッセンブルされます。ベクター名称の決定のルールを下にご紹介します。

コンポーネント (プロモーター、 ORF、 リンカーなど)の名称

  • VectorBuilderが所有する一般的なコンポーネントの場合:通称が使われます
    例: CMV, EGFP, Neo

  • ORFなどVectorBuilderの遺伝子データベースからダウンロードされたコンポーネントの場合:遺伝子記号+ [RefSeq accession番号またはGene ID].

    生物種名は、以下のルールに従い、小文字で遺伝子記号の前に追加します。

    • ヒト、マウス、およびラットは、それぞれ”h”, “m”, および“r”と 1文字で略称を表記します。
    • その他の主要生物種は2文字で略称を表記します。例えば、catは”ct”、chimpanzeeは”ch”、またdogは”dg”になります。
    • その他の生物種は3文字で学名の略称を表記し、その後ろに下線を付けます。略称の最初の文字は属名の最初の文字、略称の2番目と3番目の文字は、種名の最初の2文字を表記します。例えば、Drosophila melanogaster は “dme_”になります。
    例 NCBI RefSeqコレクションORF: hRHO[NM_000539.3]
    VectorBuilderコレクション ORF: mRho[ORF032112]
    Drosophila melanogaster NCBI RefSeqコレクションORF:dme_w[NM_057439.2]
    NCBI のE.coliコレクション:eco_nhaA[944758]
  • ユーザー独自シークエンスの場合: シークエンス提供時に名称をお知らせください。ユーザー提供の名称は中括弧内に表記されます。ユーザー提供のシークエンスがベクタービルダーのコンポーネント配列と100%同一であった場合、ユーザーよりお知らせいただいた名称は自動的に公式名称に変更されますのでご了承下さい。
    例 ユーザー独自シークエンス :{MyGene}

  • ユーザーによるシークエンス変更がなされたVectorBuilderデータベースORF: ORFが変異導入目的でユーザーにより編集されたものであることを示すため、アスタリスクマーク(*)がORF名の次に追加されます。ユーザーはこの名称を引き続き使用することもできますが、異なる名称に変更することもできます。名称変更を選択した場合、ユーザーによって変更されたことを示すために中括弧が追加されます。なお“タグをつける”の操作でエピトープタグをつけた場合は、変異とみなされません。ご了承下さい。
    例 VectorBuilderデータベースORFに変異導入:hRHO[NM_000539.3]* が自動付与{MyGene}など、ユーザーが独自名に変更することも可能

自動付与された名称の変更について

一貫性を維持するため、基本的にユーザーは自動付与されたコンポーネントの名称を変更することはできません。例外として、以下の条件に該当する場合、その名称を変更することができます:

  • シークエンスがユーザーより提供された場合、コンポーネント名称をユーザーが付与することができます。ユーザー付与名称であることを示すため、中括弧が追加されます。
  • VectorBuilderのORFデータベースにあるシークエンスを、ユーザーが変異導入目的でシークエンスを編集した場合、 アスタリスクマーク(*)がORF名の次に追加されます。ユーザーによって名称が変更されたことを示すため、中括弧が追加されます。

ベクター名称

  • 全てのベクター名称は“p”の文字から始まります。
  • ベクターバックボーンの略称は“p”の文字以降に続きます。一般的なバックボーンの例を以下に示します:
    RP: Regular plasmid (レギュラーベクター)
    LV Lentivirus (レンチウイルス)
    MMLV: MMLV retrovirus (MMLVレトロウイルス)
    AV:Adenovirus (アデノウイルス)
    AAV: Adeno-associated virus(アデノ随伴ウイルス)
    PB: PiggyBac transposon (PiggyBacトランスポゾンベクター)
    Tol2:Tol2 transposon (Tol2 トランスポゾンベクター)
    ET, BAD または CS:様々なバクテリア発現ベクター
    SC: Saccharomyces cerevisiae(出芽酵母ベクター)
    BV:Baculovirus(バキュロウイルス)
  • 使用用途の略称は、ベクターバックボーンの略称の後に角括弧で表示されます。一般的な使用用途の例を以下に示します例:
    Exp: 遺伝子発現ベクター
    shRNA:shRNA発現ベクター(ノックダウン)
    gRNA: gRNA発現ベクター ( CRISPRシステム)
    En:エンハンサー活性測定用ベクター

ベクター名称例

ベクター名称: pLV[Exp]-Hygro-CMV>FLAG/hRHO[NM_000539.3]*/10xHis:IRES:3xNLS/EGFP/HA

解釈方法:

LV: レンチウイルスベクターバックボーン

Exp: 目的遺伝子を発現させるベクター

Hygro: hygromycin B 耐性遺伝子を選択マーカーとして搭載している

CMV: CMVプロモーターの制御下で目的遺伝子を発現させる

FLAG/hRHO[NM_000539.3]*/10xHis:IRES:3xNLS/EGFP/HA: タグ付けされた遺伝子hRHO[NM_000539.3]とEGFPがIRESを挟んでポリシストロニックに配置されている

N末ORFは、5’-FLAG tag-hRHO[NM_000539.3]ORF-10xHis tag-3'

C末ORFは、5’-3xNLS-EGFP ORF-HA tag-3'

です。

hRHO[NM_000539.3]の右肩に、*がついているため、ユーザーがORFのシークエンスに変異を導入しています。