バクテリア用発現ベクターから組み換えタンパク質が発現しません。

プラスミドが不適当な宿主株に導入されている

不適切な細胞株を使用しているとタンパク質は発現しません。ベクタービルダー社のほとんどのベクターは大腸菌のStbl3株(詳細はベクターレポートに記載)のストックとして出荷されます。Stbl3株はプラスミドの安定した維持に優れていますが、組み換えタンパク質の発現に適さないケースがあります。例えば、pETシステムなどを使う場合、IPTG誘導型組み換えタンパク質発現にはT7 RNAポリメラーゼが宿主株で発現していることが必要になりますが、Stbl3株はT7 RNAポリメラーゼを持っていません。このような場合、大腸菌発現ベクターは適切なホスト株、例えばBL21(DE3)株に移し替える必要があります。

 

ベクターによって発現されたタンパク質に問題がある

発現しているタンパク質が不溶化している、間違って折りたたまれている、分解されている、または宿主株に対して毒性を持つなどの場合、組み換えたんぱく質の発現量は低くなる傾向があります。そのような場合は発現誘導条件の最適化、より寛容な宿主株を使ったタンパク質発現を試みる、もしくは発現ベクターを変更する必要があります。

 

発現誘導システムが最適化されていない

発現させる遺伝子、使用するベクターと宿主株によって以下に記載する要因を最適化する必要があります。OD600(たいていの場合は0.6から0.8のあいだ);誘導薬剤(IPTGやL-アラビノース等)の濃度は適切か;誘導時間は適切か;問題のあるたんぱく質(上記参照)を発現させるときには誘導温度は最適化されなくてはならず、異なる温度(16°C、25°C、30°C、37°Cなど)を試す必要があります。理由は不明ですが、稀に同じ発現システムでもクローンによって発現量が違うことがあるので、複数のクローンをピックアップしてそれぞれの発現量をテストして最も良いクローンを選ぶことも必要かもしれません。

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