In vitro 転写用 mRNA合成

VectorBuilderは、in vitro転写方法を使用して、10Kb長までのカスタムmRNAの合成サービスを提供します。合成されたmRNAは、in vitro翻訳、生化学的研究、細胞または胚への注入後のタンパク質発現、ワクチン開発など、さまざまなダウンストリームアプリケーションへの使用に適しています。

当社のmRNA合成プロセスは、ベクタークローニングサービスで提供している弊社独自のin vitro転写ベクターを利用します。弊社システムでプロトコールが最適化されているため、高品質のmRNAを生成が望めます。ユーザーから提供されたin vitro転写用ベクターからmRNAを合成するサービスもご提供しています。当社のリサーチグレードのmRNA合成サービスは、前段階の開発研究に適していますが、薬理学研究用のGMP-likeグレード、臨床向けのGMPグレードのmRNA合成サービスも提供しています。 また、mRNA合成サービスに加えて、CRISPR / Cas9ターゲティング用のgRNAや、特定配列の短鎖RNAの合成も受託しています。

ご提供しているRNAの種類 
  • 上限が10 kb までのmRNAsの合成
  • CRISPR実験用のgRNAs
  • その他、特定のシークエンスを必要とする short RNAs (microRNA, siRNA など)

サービスの詳細

特徴
  • バクテリオファージ由来のT7RNAポリメラーゼ(RNAP)に基づく非常に効率的で用途の広いin vitro転写技術を利用します
  • mRNAの安定性を高め、効率的なタンパク質翻訳を促進するために、転写産物に5'm7G-capおよび3'polyAテールを追加します
  • 自然免疫応答を調節するための修飾ヌクレオチドの追加を含む、さまざまなRNA修飾オプション
  • DNAテンプレートと末端5 '三リン酸の除去を促進するため、転写後DNaseおよびホスファターゼ処理を施します
  • シリカゲル精製や磁気ビーズ精製など、さまざまなRNA精製オプションに対応します
価格と作業日数
スケール アプリケーション 納品形態 価格(税抜き) 作業日数
>500 ng/ul 分子生物学、細胞培養、 in vivo 用 25 ul, nuclease-free water, sterile 52,000円* 2-4日
50-200 ug 100 ul, nuclease-free water, sterile お問い合わせください お問合せください
0.25-1 mg 500 ul, nuclease-free water, sterile

* mRNA 転写サービスは、最終合成産物に 5’ m7G-cap と 3’ polyA tailがデフォルトで付加されています。 カスタムモディフィケーションをご希望される場合は、 デザインリクエストを送る より、提供しているRNAモディフィケーションサービスについてお問合せください。弊社で実施できるモディフィケーションサービスの場合は、カスタム見積りを行わせていただきます。

ユーザーご提供のプラスミドDNAからのRNA合成について

ユーザーご提供のベクターを使う場合ば、ご提供いただくプラスミドの情報をあらかじめ  "サポート" > "マテリアルサブミッションフォーム" よりサブミットしてください。ご提供マテリアルの受け取り遅延や、ダメージを避けるために、マテリアル提供のガイドラインに従って弊社日本法人までご送付ください。ユーザーご提供のマテリアルは、VectorBuilderの製造拠点で受け取り後、QCチェックに進みます。事前にユーザーからご提供いただいたデジタルシークエンスを元に、制限酵素処理とサンガーシークエンシングによりベクターの検査を行います。そのため、ユーザーに12,000円より~の追加費用と約5日間の作業日数をご了承いただいています。QCチェックにパスした後、ご注文の受託プロジェクトが開始します。

出荷と保存方法

当社のmRNAはヌクレエースフリーの水に保存され、ドライアイス詰めで出荷されます。受け取り後、mRNAサンプルを-80°Cで長期間(少なくとも6か月間安定)保存するか、-20°Cで1週間以内に使用してください。 mRNAの貯蔵寿命は約1年です。RNA分解を引き起こす可能性があるため、mRNAの凍結融解サイクルは繰り返さないでください。

技術関連情報

mRNA製造過程と品質検査

mRNAの生成には、目的のDNAテンプレート配列の上流にあるT7プロモーターを利用するin vitro転写アプローチを使用して、適切な反応条件下でヌクレオチド三リン酸の存在下でバクテリオファージT7RNAPによるmRNAの非常に効率的な生成を促進します。 T7 RNAPは非常にロバストな酵素であり、この酵素を使用した転写反応により、数時間以内に大量の機能性RNAを生成できます。 当社の標準的なmRNA生成ワークフローは、テンプレートDNA配列のデザインと合成から始まり、その後、in vitro転写ベクターへのクローニングが続きます。次に、プラスミドDNAを精製、検証、リニア化してから、in vitro転写反応を行い、目的の転写産物を生成します。次に、mRNAは、デフォルトの精製プロセスであるシリカゲル精製によって精製されます。ご要望に応じて、磁気ビーズ精製によりmRNAを精製することも可能です。

図 1. in vitro 転写によるmRNA合成の標準的な ワークフロー

VectorBuilderが製造するmRNAは、コンタミがなく、デザインどおりの100%シークエンスマッチを保証するために、厳格な品質管理を受けています。当社の品質検査は以下が含まれます。1)制限酵素処理によるグローバルマップサイズと制限酵素サイトの検証、およびサンガーシーケンシングによるDNA配列の検証; 2) 転写産物のサイズに応じて、変性PAGEまたはアガロースゲル電気泳動による合成RNAの品質検査。 

ご注文方法

ベクター構築とRNA合成を同時注文する場合
ユーザー提供ベクターを使ってRNA合成サービスを注文する場合

Q&A

in vitro転写方法のRNA生成、化学的RNA合成を比較してください

in vitro転写によるRNAの生成の、化学合成に対した利点:

1) 価格が抑えられ、シンプルな生成方法 – RNAの化学合成は、通常ホスホロアミダイト法に基づく自動化された固相オリゴヌクレオチド合成を行います。これには、特定の合成ステップの数サイクルが含まれ、プロセスが技術的に複雑で費用がかかります。一方、in vitro転写によるRNA合成は、さまざまな転写物を生成するために多くの研究室で日常的に使用され、非常に用途が広く、しかもシンプルで費用対効果の高い手法です。

2) 収量が高い – In vitro転写のRNA合成は、通常、バクテリオファージ由来のT7 RNAPを利用して、T7プロモーターの下流に位置するDNA鋳型配列から目的のRNA転写物を生成します。 T7 RNAPは、非常に高い処理能力と頻度を備えた堅牢な酵素であり、非常に小さな反応量からミリグラムのmRNAを合成できるため、スケーラブルなプロセルによく対応します。

3) 融通が利く - In vitro転写により、数百ヌクレオチドから10キロベースを超える長さのRNAの合成が可能になり、さまざまな下流の用途に使用できます。一方、化学合成では、200塩基までのRNAの合成が可能で、長いRNAの場合は、塩基配列のエラーが発生しやすくなります。

mRNA技術を使ったワクチン治療が注目されてきたのはなぜですか? 

mRNAは、従来のウイルスやDNAベースのワクチンに比べて特徴的な利点があり、ワクチン開発の分野で有望な候補として最近注目されています:

1) 有効性 - mRNAワクチンは、重大な副作用なしに信頼性の高い免疫応答を開始するのに非常に効果的であることが示されています。

2) デリバリーの簡単さ - mRNAワクチンを担体分子に処方することにより、それらを宿主細胞に効率的にデリバリーし、さらに核膜を通過することなく細胞質にすばやく取り込まれ、目的遺伝子産物を発現させることができます。皮下、結節内、皮内、筋肉内または静脈内注射を含む様々な経路を介して容易に投与することができ、ワクチンが安全で効果の評価が迅速に行えます。

3) 安全性 - mRNAワクチンは感染性が無く、ホストゲノムに挿入されてしまうような遺伝子変異のリスクがないため、ウイルスワクチンと比較して非常に安全です。さらに、それらの安全性プロファイルは、宿主細胞へのデリバリー時に自然免疫応答を調節する修飾ヌクレオチドを組み込むことによってさらなる改善が可能です。  

4) 製造の容易さとスケーラビリティー - mRNAワクチンは、ウイルスベースのワクチン製造よりも技術的にはるかにシンプルなin vitro転写方法の利用で、比較的低コストで、大規模に、非常に迅速に製造できます。さらに、mRNAワクチンは抗原をその場で合成することを可能にするため、タンパク質の精製と安定化が難しい抗原の生成は必要ありません。mRNAワクチンは生産が比較的容易であるため、候補となるmRNAワクチンは、エピデミックに対応して、初期のワクチン開発段階から臨床および商業段階に迅速に移行することができます。

5) 多様性 - mRNAは、単一のワクチンを使用して複数のウイルス抗原を同時に発現できるため、ワクチン開発に非常に用途の広いプラットフォームを提供します。他の従来のワクチンタイプではこのような多様性を持たせることは困難です。