既製品Cas9タンパク質
VectorBuilderは、ノックアウト(KO)やノックインなどのゲノム編集において、直接Cas9 デリバリーに使用できる高効率かつオフターゲット効果リスクが低いready-to-use Cas9タンパク質を提供しています。その他のCas9バリアントやCasファミリータンパク質をご要望でしたら、当社の組換えタンパク質受託製造サービスをご利用ください。
特長
- 大腸菌または昆虫細胞から精製された、高いゲノム編集性能を持つように最適化されたCas9タンパク質。
- Cas9タンパク質の直接トランスフェクション、もしくは任意gRNA/Cas9RNP複合体形成の両方における高い効率。
- 高い純度と最適な機能を保証する、包括的かつ厳格な品質管理。
製品情報 プライスマッチ
配送および保存方法
SpCas9(大腸菌)は凍結乾燥された粉末として常温輸送で配送されます。しかしながら、温度変化に敏感な製品と同梱される場合はドライアイス便で配送されます。受け取り後は、滅菌条件下で–20°Cから–80°Cにて保存してください。溶解後は、凍結融解の繰り返しを避けるため、分注して保存してください。滅菌条件下で–20°Cから–80°Cにて保存した場合、製品は最長1年間安定です。
SpCas9(昆虫細胞)は、ドライアイス同梱の液体状態で配送されます。ドライアイス便には別途料金が発生することをご了承ください。より費用対効果の高い代替品のSpCas9(大腸菌)は常温での配送が可能です。受け取り後は、凍結融解の繰り返しを避けるため、直ちに分注してください。滅菌条件下で–20°Cから–80°Cにて保存した場合、製品は最長1年間安定です。
実験による検証
実験による特性解析
CRISPR遺伝子ノックアウト
CRISPR遺伝子ノックイン
大腸菌および昆虫細胞を用いて製造された、精製SpCas9タンパク質の特性解析の結果です。
- 大腸菌
- 昆虫細胞

図1. 大腸菌から精製されたSpCas9タンパク質の特性解析。(A) SDS-PAGEにより、精製タンパク質の分子量は約139.7 kDa(還元条件下)であり、95%以上の純度が確認された。(B) SEC-HPLCによっても純度が95%以上であることが確認された。(C) in vitro DNA切断アッセイを用いて、精製Cas9タンパク質の生物学的活性を評価した。760 bpの線状化DNAテンプレートとgRNAを、Cas9あり(+)またはCas9なし(-)の条件で混合した。Cas9を添加した結果、DNAテンプレートが予測通り2つのDNA断片(450 bpおよび310 bp)に切断された。VectorBuilderのSpCas9は、90%以上のDNAテンプレートを切断した。N:ネガティブコントロール、VB:VectorBuilder SpCas9 (大腸菌)。

図2. バキュロウイルス-昆虫細胞システムで製造・精製されたSpCas9タンパク質の特性解析。(A) SDS-PAGE分析により、精製タンパク質の分子量は約139.5 kDa(還元条件下)であり、90%以上の純度が確認された。(B) SEC-HPLCにより純度が95%以上であることが確認された。(C) in vitro DNA切断アッセイを用いて、精製Cas9タンパク質の生物学的活性を評価した。760 bpの線状化DNAテンプレートとgRNAを、Cas9あり(+)またはCas9なし(-)の条件で混合した。Cas9を添加した結果、DNAテンプレートが予測通り2つのDNA断片(450 bpおよび310 bp)に切断された。VectorBuilderのSpCas9は、90%以上のDNAテンプレートを切断した。N:ネガティブコントロール、VB:VectorBuilder SpCas9 (昆虫細胞)。

図3. 遺伝子配列欠失のためにデュアルgRNAのgRNA/Cas9 RNPアプローチによるホモ接合体KO変異体作製。(A) 遺伝子編集用RNPを標的細胞にエレクトロポレーションし、標的遺伝子上の2カ所を作用させて13 kbの領域を欠失させた後、シングルクローンを単離しスクリーニングを行った。候補クローンの遺伝子型は、PCRおよびサンガーシーケンスを用いて検証された。(B) P1からP4の4種類のプライマーを3種のPCRに使用し、KOクローンとWTクローンを判別した。PCR結果(C)に基づき、クローン1がホモ接合体KO変異体であることが示唆され、シーケンス結果(D)によっても確認された。
図4. iPSCにおけるCRISPR遺伝子ノックイン。gRNA/Cas9 RNP複合体とドナーベクターのエレクトロポレーションにより、iPSCへのUBC> EGFP(2432 bp)ノックインを行った。(A) サンガーシーケンスによる、標的部位へのEGFPノックインの確認。(B) ホモ接合体ノックインが確認された4つのシングルクローンのジェノタイピングPCR。WTアレルは762 bp、EGFPがノックインされたアレルは3194 bpとなる。(C) 顕微鏡によるノックイン細胞のEGFP蛍光像。(D) 核型分析の結果。(E) 多能性が維持されていることを確認するため、免疫蛍光染色によるEGFPノックインiPSCにおける多能性マーカーNANOG、OCT4、およびSOX2の発現検出。
リソース
Q&A
Cas9 RNPは、プラスミドやウイルスベースの遺伝子デリバリーシステムに対して大きな利点があります。Cas9タンパク質とgRNAは活性化された状態で導入されるため、転写や翻訳を必要とせず、迅速なゲノム編集が実行できます。また、タンパク質とRNAのみを導入するため、ホストゲノムにDNAがランダムに挿入されるリスクがなく、またホスト細胞によるタンパク質分解が速いため、他のデリバリーシステムと比較してCas9によるオフターゲット活性が最小限に抑えられます。さらに、RNPはエレクトロポレーションによって効率的に導入できるため、化学的トランスフェクションが困難な細胞に適しています。RNPは細胞種特異的なプロモーター活性に依存しないため、幅広い細胞種で有効です。
Cas9 RNPの一過性の性質により、エレクトロポレーション直後に遺伝子編集が起こります。その後RNPの細胞内での分解につれて編集効率は低下していきます。これは、長期的なオフターゲット効果を避けるために、一過性のCas9活性が求められる場合に有用です。一方で、より安定したCas9デリバリーシステムのように数日間にわたって編集が続くのではなく、導入後比較的短時間でほとんどの遺伝子編集が発生するため、実験のタイミングを慎重に計画する必要があります。