LentiBuilder™ レンチウイルスパッケージングキット
レンチウイルスを用いた遺伝子導入の分野で豊富な実績を持つVectorBuilderが、第三世代レンチウイルスを実験室で容易に作製できるLentiBuilder™ レンチウイルスパッケージングキットを提供します。 このキットは、当社独自のminiVec™テクノロジーとパッケージングシステムの徹底的な最適化に基づいて作製されており、極めて高いウイルスタイターと優れた導入効率を実現します。
特長
標準サイズのベクターでは業界トップクラスの機能的タイター(107-108 TU/ml)を達成。サイズが大きいベクターでも安定した収量を確保します。
最適な比率で混合済みのパッケージングプラスミドと、高効率トランスフェクション試薬を使用。2本のチューブだけで完結する、シンプルかつ強力なシステムです。
当社のVector Design Studioで設計したトランスファーベクターとの組み合わせで、最高のパッケージング効率が得られます。
ご注文情報
製品名 | カタログ番号 | サイズ | 数量 | 価格 (税別、送料別) | 購入する |
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LentiBuilder™ レンチウイルスパッケージングキット | LVKT0010 | 10 反応分 | {[ qty1 * 87000 | areaCurrency:0]} | ||
LVKT0050 | 50 反応分 | {[ qty2 * 310000 | areaCurrency:0]} |
内容
カタログ番号 | コンポーネント | 仕様 |
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LVKT0010 | LentiBuilder™ Packaging Mix | 1 x 80 ul |
LentiBuilder™ Transfection Reagent | 1 x 500 ul | |
LVKT0050 | LentiBuilder™ Packaging Mix | 5 x 80 ul |
LentiBuilder™ Transfection Reagent | 5 x 500 ul |
出荷形態と保存方法
LentiBuilder™レンチウイルスパッケージングキットは常温で出荷されます。受け取り後は下記温度にて保存してください:
パッケージングミックス:−20°C保存
トランスフェクション試薬:4°C保存(凍結融解は避けてください)
キットの有効期間は適切な保存方法で約1年間です。
注意事項: LentiBuilder™レンチウイルスパッケージングキットは研究用途に限りご使用いただけます。
本製品にはVectorBuilderの独自技術が使用されており、当社の事前の許可なく、内容物の転売や複製はできません。
技術情報
レンチウイルスは、効率的な遺伝子導入を実現するために最も一般的に使用されているウイルスベクターのひとつです。導入した目的遺伝子(GOI)がゲノムに恒常的に組み込まれるため、in vitro、in vivo、および ex vivo における幅広いアプリケーションに対応可能です。主な用途としては、ライブラリースクリーニング、安定細胞株作製、CRISPRを用いたゲノム編集、CAR発現などがあります。第三世代レンチウイルスを製造するには、目的遺伝子を搭載したトランスファープラスミドに加え、Gag/Pol、Rev、およびエンベロープタンパク質(例:VSV-G)をコードするパッケージングプラスミドを、293T細胞などのパッケージング細胞に同時にトランスフェクションする必要があります。

図1. LentiBuilder™ レンチウイルスパッケージングキットによるレンチウイルス製造のワークフロー
当社が徹底的に最適化したパッケージングシステムをもとに開発された LentiBuilder™ レンチウイルスパッケージングキット は、VectorBuilderで製造されるウイルスと同等の信頼性をもつウイルス製造を研究室で実施できるように開発しました。このキットは以下の2成分で構成されています:
- 最適な比率と濃度で混合された パッケージングプラスミドミックス
- パッケージング細胞に高効率でトランスフェクションできる 試薬
さらに、すべてのパッケージングプラスミドにはVectorBuilder独自の miniVec™ テクノロジー を採用しており、ウイルスタイターの向上、安全性の確保、ウイルスの品質と均一性の向上を実現しています。
- タイター
- 導入
図2. LentiBuilder™ キットで製造されたレンチウイルスの機能的タイター(TU/ml)は業界トップクラス。
さまざまな遺伝子やウイルスゲノムサイズを持つトランスファーベクターを用いて複数のパッケージングシステムを比較した。それぞれのシステムの推奨条件で等量のトランスファーベクターを用いてパッケージングを行い、qPCRにより機能性タイターを測定した。その結果、LentiBuilder™ は比較したすべての競合他社製品よりも高いタイターを記録し、推奨ゲノムサイズを超過した(>9.2 kb)のレンチウイルスでも優れたパッケージング効率を示した。
図3. 遺伝子導入が困難な細胞種を対象にしたLentiBuilder™パッケージングシステムにて製造したレンチウイルスの導入例。
(A) プライマリーマウス海馬ニューロンに、EGFPをレポーターとするshRNA発現ベクターを導入(MOI=7)。導入後5日目の画像。
(B) ヒト造血幹細胞に、EGFPをレポーターとする遺伝子過剰発現ベクターを導入(MOI=50)。導入後8日目の画像。(A, B) 露光時間100ms、倍率100x。
※データはVectorBuilderの顧客により提供・許諾されたものです。
リソース
どちらの製品も、最高品質のレンチウイルスと業界トップクラスの導入効率を提供します。それぞれの違いは以下の表をご参照ください:
LentiBuilder™ レンチウイルスパッケージングキット | レンチウイルスパッケージングサービス | |
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必要条件 | 実験スキル・設備、BSL-2環境が必要 | 特別な設備不要。すべてVectorBuilderが実施 |
ウイルスタイプ | VSV-G シュードタイプ 第3世代レンチウイルス |
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技術 |
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一般的なタイター | 107–108 TU/ml | 108–1010 TU/ml |
品質管理(QC) | 研究者が目的や使用可能な機器などにそれぞれ選択 | 包括的なQC(タイター測定、導入効率、無菌検査、オプションでqPCR、FACS、エンドトキシン測定など) |
必要日数 | 必要に応じて使用でき、3日間で完成 | 最短6日でお届け(QC込み) |
推奨用途 | 培養細胞用(in vivo用には追加の精製工程を推奨) | 培養細胞およびin vivo用途 |
本キットはVSV-Gシュードタイプ レンチウイルス専用に設計されています。GaLV、RD114、BaEV、コロナウイルスSタンパク質など、他のシュードタイプをご希望の場合は、VectorBuilderのレンチウイルスパッケージングサービスをご利用ください。
レンチウイルス | MMLV | アデノウイルス | AAV | |
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指向性 | 広範 | 広範 | 感染しない細胞がある | セロタイプによって異なる |
非分裂動物細胞への感染 | 感染する | 感染しない | 感染する | 感染する |
安定発現または一過性発現 | ゲノム挿入による安定発現 | ゲノム挿入による安定発現 | 一過性発現、エピソーマル | 一過性発現、エピソーマル |
最大タイター | 高い | 中程度 | 高い | 非常に高い |
プロモーター選択の自由度 | 自由度あり | 自由度なし | 自由度あり | 自由度あり |
推奨用途 | 培養細胞とin vivo | 培養細胞と in vivo | In vivo | In vivo |
生体での免疫原性 | 低い | 低い | 高い | 非常に低い |