蛍光タンパク質、ルシフェラーゼ、LacZの利用方法は?

蛍光タンパク質、ルシフェラーゼ、LacZは細胞内局在やイメージング目的で使用される組み換えタンパク質レポーターです。これらの性質には重要な違いがあるために実験条件、目的に応じて使い分けることが重要です。

蛍光タンパク質とルシフェラーゼはどちらも光を放出するタンパク質であるため、カメラもしくは類似の検出機器を用いて検出することができます。蛍光タンパク質は特定波長の光を吸収(励起)して、低エネルギーの別波長の光を放出(発光)します。ルシフェラーゼ(他の生物発光酵素を含む)は基質(ルシフェリンなど)の酸化反応によって光子を放出する化学反応によって発光します。

蛍光タンパク質はルシフェラーゼよりもはるかに明るいため、多くの実験に利用されています。しかし、蛍光タンパク質を組織サンプルや生体に使用する場合、バックグラウンド、自家蛍光、および光散乱が問題になる場合があります。ルシフェラーゼ活性はルシフェリンを必要とするため、分析前に基質の培地への添加もしくは生体への注入が必要です。そのため、蛍光タンパク質と比較して、実験の再現性や定量性に問題が生じやすくなります。

上記2種のマーカーとは異なり、LacZは発光しません。その代わりに、LacZ遺伝子産物であるβ-ガラクトシダーゼは、X-galの藍色化合物への変換を触媒します。LacZを可視化するためには、始めにサンプルをX-gal溶液で処理する必要があり、当処理は生体に施すことはできません。LacZ/X-gal染色は高感度ですが、定量性は無いので、蛍光タンパク質やルシフェラーゼほどの分解能を得ることはできません。

一般的には、固定ホールマウント胚や組織切片を用いた遺伝子発現研究用途はLacZを推奨しています。生体を用いる場合では、多くの要因(組織深部のイメージングが必要、マーカーの明るさが問題、など)に応じて、蛍光タンパク質またはルシフェラーゼのいずれかを選択してください。

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