VectorBuilderはminiVecでプラスミドのスタンダートを再定義
シカゴ, イリノイ州 – 2025年10月8日 – 遺伝子デリバリー技術とCDMOサービスのグローバルリーダーであるVectorBuilderは、本日、遺伝子医薬品のより安全で効率的、かつスケーラブルな開発のために設計されたminiVecプラスミドシステムを発表しました。この画期的な進歩を報告した論文は、BioRxivに掲載され、自由に閲覧していただけます。
プラスミドはバイオ医薬品、特に遺伝子治療や細胞治療に使用されるウイルスおよび非ウイルスベクターなどの遺伝子医薬品、COVID-19のmRNAワクチンの製造に欠かせない材料です。従来のプラスミドには、大腸菌でプラスミドを増殖させる抗生物質耐性遺伝子がベクターバックボーンに搭載されています。しかし、これらの抗生物質耐性遺伝子は、治療目的の遺伝子でないだけではなく、プラスミド製造の歩留まりや治療効果を低下させ、FDA などの規制当局が懸念を出す安全性のリスクをもたらします。また従来のプラスミドは、安全性と機能が最適ではないだけでなく、製造コストも高くなっています。そのため、従来のプラスミドは医薬品の原材料として多くの弱点がありました。
miniVecプラスミドシステムは、抗生物質耐性遺伝子が非搭載で、小型化されたバックボーンをもちます。その結果、臨床応用に優れた対応が実現し、より安全で、大規模製造のコストがはるかに安価で、さまざまなアプリケーションに応用できます。miniVec は「シンプル イズ ベスト」という規制側の期待に沿ったプラスミドデザインの基盤を医薬品を開発する研究者に提供し、バイオ医薬品業界全体でのプラスミドの新たなベンチマークとなるでしょう。 VectorBuilderのチーフサイエンティストであるBruce Lahn博士は「miniVecは、プラスミドデザインのファンダメンタルシフトです。高水準の安全性、製造性能、機能性を提供するために、初めから臨床応用を念頭にデザインされているベクターです。医薬品を開発する研究者が、規制側の期待に沿ったベクターバックボーンを使って研究開発作業ができ、かつ予算に優しい製造と優れたパフォーマンスを可能にしました。」と、述べています。
臨床応用を見据えて構築
miniVecプラスミドは、宿主大腸菌培養の際、抗生物質やその他の化学物質の添加が不必要なベクターシステムです。高いプラスミドコピー数を維持する低分子RNA配列がプラスミドの選択的増殖を担うため、ベクターバックボーンの小型化に成功しました。そのため、miniVecのベクターデザインは、抗生物質に関連するバイオセーフティ上の懸念や規制上のリスクを回避でき、免疫原性や毒性が検出限界以下となる安全性を提供します。さらに、抗生物質に対する宿主大腸菌細胞の代謝の負荷を軽減することで、大規模培養での大幅なプラスミド収量の向上を実現しました。またminiVecプラスミドシステムは、一過性トランスフェクション、エレクトロポレーション、ウイルスパッケージング、トランスポゾンおよびCRISPRを介したゲノム編集、naked DNAワクチンなど、幅広いin vitroとin vivo応用ができるようベクターシステムが揃っており、従来のプラスミドシステムと同様の幅広い応用対象に、大きな機能性の改善を提供します。このようにminiVecの利点は、遺伝子医療開発者にとって、GMP製造の円滑化、規制上のハードルの軽減、開発パイプライン全体の劇的なコスト削減など、直接的なメリットを提供します。
「miniVecは、業界が待ち望んでいた期待に応えるプラスミドです。」とラーン博士は述べています。「これは単なる改善ではなく、臨床開発をより安全、効率的、費用対効果の高いものにすることで、遺伝子医療を進歩させるように設計されたプラットフォームです」。
フレッド ハッチンソンがんセンターのステファン マティアス教授は「遺伝子デリバリーの開発を行っている私のラボでは、有効性と安全性への懸念、面倒な製造プロトコール、ハイエンド製品にかかるコストは大きな悩みとなっています。miniVec がこれら全ての悩みを解決することで、トラブルシューティングに費やす時間を減らし、本当に開発したい課題に集中できます。」と、述べています。
その他のアプリケーション
miniVec は高度な臨床応用を目的にデザインされたベクターシステムですが、その利点は他のアプリケーションにも広がります。例えば、抗生物質や添加物無しで増やしたプラスミドは、安全性とコンプライアンスが厳しい食品製造、また獣医畜産学、合成生物学に対しても応用価値があります。
「不必要な複雑さを取り除くことで、miniVec は、高度な治療法の開発のみならす、安全性、有効性、手頃な製造価格が必要な食品への応用に至るまで、新しい扉を開きました。これは、miniVecプラスミドが将来多くの分野で活用される萌芽的プラットフォームであると言っても他言はないでしょう。」とラーン博士は続けました。
VectorBuilderの利点
VectorBuilderのグローバルCDMOの製造インフラストラクチャーは、miniVecにすでに対応しています。プラスミドのデザイン、最適化、GMP製造を大きな1つの屋根の下に統合することで、VectorBuilderは遺伝子医薬品開発パイプラインの各ステップをシームレスに引き継ぎ、スムーズな医薬品開発を提供します。このエンドツーエンド能力は、革新的で臨床的に即応したソリューションを通じて創薬を加速するという当社の大きな使命の現れです。
VectorBuilderについて
VectorBuilder は、遺伝子デリバリー技術の世界的リーダーです。 VectorBuilder は、世界中の何千もの研究室やバイオテクノロジー/製薬会社の信頼できるパートナーとして、基礎研究から臨床応用まで、遺伝子デリバリー技術の設計、開発、最適化をワンストップで提供します。受賞歴を誇る同社の革新的なイノベーションである Vector Design Studio を使うと、研究者がオンラインでカスタム ベクターを簡単に設計して注文でき、研究室でのベクターのクローニングとパッケージングというルーチン作業から解放され、限られた時間を独創的な研究に有効に利用できるようになります。VectorBuilderは、ハイスループットのベクター生産能力、膨大なベクターとコンポーネントのストック、さらに高度な AAV キャプシド エンジニアリング能力を含む 1 対 1 の CROサービス、最先端の cGMP製造施設を誇ります。最先端の研究開発と CDMO 製造能力を備えた VectorBuilder チームは、最も効果的な遺伝子デリバリー技術を提供し、ライフ サイエンス研究と遺伝子医学のための新しいツールの開発をサポートします。
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