VectorBuilderとLir Therapeutics, AAVカプシド開発で戦略的提携
シカゴ — 2026年8月18日 — 遺伝子送達技術を手がけるVectorBuilderと、AIを活用したベクター工学に取り組むLir Therapeuticsは本日、遺伝子治療の臨床応用を見据えたアデノ随伴ウイルス(AAV)カプシドの開発に向け、戦略的提携を開始したことを発表しました。両社は、優れた生物学的性能に加え、製造しやすく、スケールアップしやすいAAVカプシドの創出を目指します。
今回の提携では、VectorBuilderが培ってきたAAV探索、カプシド工学、プロセス開発、GMP製造の知見と、Lir独自のAIプラットフォームnAAVigator® を組み合わせます。両社は、設計、実験検証、製造、臨床応用への移行までを一体的に考え、有望なAAVカプシドの改良を進めます。
遺伝子治療は大きく進展していますが、有望なカプシドの多くは、研究段階から製造・臨床開発へ進む過程で課題に直面します。標的組織への届きやすさや効果を高める一方で、大規模製造が難しくなったり、収量や品質、投与量の面で制約が生じたりすることがあります。
この課題に対し、VectorBuilderとLir Therapeuticsは、製造しやすさを後から調整するのではなく、ベクター設計の初期段階から組み込むアプローチを取ります。
本提携のもと、LirはnAAVigator® と実験を組み込んだ最適化ワークフローを活用し、VectorBuilderのDeepCap™プラットフォームから選抜されたカプシドを改良します。すでに高い可能性を示しているカプシドをさらに磨き上げ、治療効果を保ちながら、製造適性の向上を図ります。
両社は、以下の特長を持つカプシドの開発を目指します。
● より効率的で安定した製造
● フルカプシド収率と製品品質の向上
● 治療に必要な投与量の低減
● 標的組織への送達性向上と、不要な送達・免疫反応の低減
Lirの開発プロセスは、AIによる設計と実験による検証を組み合わせたものです。VectorBuilderとの協業により、両社は複数の観点からベクター性能を同時に高め、より実用性の高いAAVカプシドの開発を加速します。
「遺伝子治療に必要なのは、研究室で高い性能を示すだけでなく、最終的に患者さんに届けられるカプシドです」と、VectorBuilderの最高科学責任者であるBruce Lahn博士は述べています。「当社のカプシド工学と開発の知見に、Lir TherapeuticsのAI技術を組み合わせることで、製造や臨床開発を見据えたベクターづくりを早い段階から進めていきます。」
「AIの価値は、現実の生物学的課題の解決に役立ってこそ発揮されます」と、Lir Therapeuticsの最高経営責任者であるKillian Hanlon氏は述べています。「Lirは、投与量、標的組織への送達、免疫反応といった遺伝子治療の重要課題に同時に取り組んでいます。VectorBuilderとの協業により、AIを活用した設計が、臨床的に意義のあるカプシドのさらなる改良につながることを示していきます。」
AIは遺伝子治療研究において重要な役割を担いつつあります。一方で、両社は、AIによる設計だけでなく、実験的な検証や実際の開発経験を組み合わせることが、実用化に近づくうえで不可欠だと考えています。本提携では、こうした強みを生かし、研究段階だけでなく、製造や臨床開発にもつながるベクターの創出を目指します。
両社は今後、AIを活用した設計、実験検証、製造評価を繰り返しながら、選定された治療領域で複数のリードカプシドを評価します。得られたデータは、VectorBuilderのカプシドポートフォリオのさらなる最適化に活用され、治療薬開発における新たな提携機会にもつながる見込みです。
VectorBuilderとLirは、生物学的性能、製造しやすさ、臨床応用への道筋を初期段階から一体的に考えるAAV開発を推進します。研究室で優れた性能を示すだけでなく、患者さんの治療につながるベクターを目指します。
VectorBuilderについて
VectorBuilderは、遺伝子送達技術の分野で世界的に事業を展開する企業です。世界中の研究機関やバイオテクノロジー企業、製薬企業に向けて、基礎研究から臨床応用まで、遺伝子送達ソリューションの設計、開発、最適化を支援しています。オンラインでカスタムベクターを設計・注文できるVector Studioをはじめ、高スループットのベクター生産、豊富なベクター関連リソース、AAVカプシド工学を含むカスタムCROサービス、GMP製造能力を備えています。VectorBuilderは、生命科学研究と遺伝医学の進展に貢献する遺伝子送達ソリューションの提供に取り組んでいます。
お問い合わせ:
communications@vectorbuilder.com
Lir Therapeuticsについて
Lirは、ウイルスベクターの可能性を広げるテックバイオ企業です。独自のnAAVigator® AIパイプラインと、実験を組み込んだ開発ワークフローを組み合わせ、遺伝子治療をはじめとする次世代ウイルスベクターの開発に取り組んでいます。AAVを出発点に、ウイルス全体を対象としたAIアプローチにより、高用量、オフターゲット効果、既存免疫原性といった遺伝子治療の課題に取り組んでいます。Lirは、遺伝子治療を開発する企業との提携を通じて、より有効で安全な医薬品の創出を目指しています。