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プレスリリース   |   Sep 19, 2025

遺伝子治療とAAVベクター

横浜・日本 — 2025年9月12日— ベクタービルダー・ジャパン代表取締役の亦勝実穂 Ph.D.が、第68回日本神経化学会大会(澤本和延大会長 9 月11~13日 WINK AICHI 愛知県)にて、ランチョンセミナーを協賛し、「神経系疾患と遺伝子治療:VectorBuilderの成果と今後の取り組というタイトルで、VectorBuilder のCDMO事業について、最新の動向を紹介しました。

ランチョンセミナーにて発表するベクタービルダー・ジャパン代表取締役の亦勝実穂(Ph.D.)

アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターは、広範な組織向性、長期的な遺伝子発現、非病原性、および低い免疫原性により、遺伝子デリバリーベクターとして様々な研究に利用されてきました。しかし、遺伝子治療用の遺伝子デリバリーベクターとしては、既存のAAVでは様々な限界が判明してきました。例えば、キャプシドを例にとると、標的細胞や組織への特異性の向上、特定のキャプシドで低いデリバリー効率、広範な組織指向性に起因するオフターゲット効果、中和抗体、特定のキャプシドでは製造能の拡大が困難である、など改善されなければ遺伝子治療ベクターとしては費用対効果に乏しい課題があります。さらに、AAVでは組換えゲノムとして搭載DNAの長さに限界もあり、遺伝子のサイズによって、遺伝子治療の対象疾患が限定されてしまいます。これらの解決策として、AAVキャプシドエンジニアリングによる新規キャプシドの単離や大きい遺伝子のデリバリーシステムの開発が必要です。

•遺伝子デリバリーベクターとしてのAAVウイルスの特性: 約22nmの二十面体キャプシド構造に約4.7kbのssDNAゲノムを内包するAAVウイルスは、その広範な組織向性、長期的な遺伝子発現、低い免疫原性、および非病原性から、遺伝子治療やワクチンの有望な遺伝子デリバリーベクターです。 しかし、既存の野生型AAVカプシドには様々な弱点もあり、ここ数年はキャプシドエンジニアリングで新規キャプシドの単離の報告が増えています。AAVのキャプシドエンジニアリングでは、組織特異性、デリバリー効率、オフターゲットの低減、中和抗体の回避、製造能向上などの改良を目指し、キャプシド遺伝子にランダムに変異導入する、または特定のキャプシド部位にペプチドを挿入し、ターゲット細胞との相互作用を改変させます。高品質で多様性を持ったキャプシドライブラリーを構築すると、それを使って、目的に従ったin vitroおよびin vivoスクリーニングを行い、特異性や免疫回避などが強化された新規キャプシドを同定します。ライブラリー構築もスクリーニングや同定作業は、時間も労力もかかる作業です。今回のランチョンセミナーでは、VectorBuilderが単離した優れた血液脳関門浸透性や、網膜視細胞、内耳有毛細胞、筋肉など特定の組織や細胞への遺伝子デリバリーが増強された複数の新規AAVキャプシドを報告し、げっ歯類や非ヒト霊長類での生体内分布データを紹介しました。

•組織および細胞特異的プロモーターとトリプルAAVを介した10キロを超える遺伝子のデリバリー: VectorBuilderは、キャプシド改変のみならず、視細胞特異的に遺伝子発現をドライブするプロモーターのスクリーニングも実施しました。マウスおよび非ヒト霊長類網膜の錐体細胞での特異的発現が向上した短いプロモーターを同定しています。先の網膜視細胞への遺伝子デリバリー効率が向上したAAVキャプシドと、このプロモーターの同時利用で、視細胞への遺伝子デリバリーのピンポイントの特異的遺伝子治療が期待されます。また、AAVは搭載できる組換えゲノムサイズが4.7kbと短いことが遺伝子デリバリーツールとしての制限となっていますが、>10kbを超える遺伝子のデリバリーが可能になるtriple-AAV技術を開発したことも報告しました。このVectorBuilderが開発した新技術Triple-AAVシステムを利用することで、今までAAV遺伝子治療の対象外とされていた大きなサイズの遺伝子も今後遺伝子治療の対象となるツールとして期待されます。

 •ウイルスベクターのGMP製造CDMO:ファーマとのパートナーシップ:VectorBuilderは、CDMO事業の開始をした2021年以降、グローバルCDMOとしての実績を確実に蓄積してきました。まず2022年にはレンチウイルスとそのプラスミドDNAベクターに対して、アメリカFDAの DMFを登録しました。翌年には、小児の銅代謝障害を起こすメンケス病の世界ではじめの医師主導治験(LTGT06) の実施と2024年のアメリカFDAによる、希少疾病用医薬品の指定。さらに2025年4月には、中国および東南アジアで実施した改良型SMA遺伝子治療の第1相試験用のAAVウイルス製造など、グローバルCDMOとして力強く当社顧客の創薬をサポートしています。

多くの大会参加者の方々にお集まりいただきました。ありがとうございました。

CDMO(医薬品受託開発製造機構)とは?

CDMO(医薬品受託開発製造機構)は、医薬品の開発、製造業務を提供する企業です。CDMOは、有効成分(API)や最終製剤の生産、そして製造プロセス全体を通して創薬と製薬をサポートします。CDMOは、医薬品の開発から大規模な商業生産まで、End-to-endのサービスを提供し、製薬企業が製品を効率的に市場に投入できるよう支援します。

日本神経化学会について

日本神経化学会は、昭和33年(1958)に大阪で開催された日本精神神経学会にルーツを持ちます。2007年には50周年を迎え、現在約1500名の会員を有する歴史ある学会です。精神・神経疾患をあつかう臨床研究者と基礎研究者が一体となって情報交換を行い、分子というキーワードに基づいた精神神経疾患の原因や治療法の開発に繋がる多くの研究がこの学会で発表されています。基礎や臨床などの立場や分野を問わず、精神・神経疾患や神経科学の分子基盤に興味のある方に開かれた学会です。創設以来、学会での討論を重視し、口演での発表に十分な時間をとり会員の顔がお互いに見える学会がめざされています。また若手とシニア研究者が膝を突き合わせて研究から人生論まで夜を徹して話せる場も提供し、会員間のつながりをより親密にする仕組みを随所に設け、神経研究者間の情報交換の場や国内外への情報発信の場が提供されています。

VectorBuilderについて

VectorBuilderは、90+か国の4000+機関に120万を超えるベクターを提供するグローバルCRO/CDMOです。当社は予算の15〜20%を研究開発に投資し、多くの博士号取得者を雇用し堅牢なR&Dに基づいて、グローバル顧客の基礎創薬研究の受託サービス、CRO/CDMOサービスを提供しています。当社のCROサービスには、AAVカプシドエンジニアリング、安定細胞株開発、カスタムライブラリー構築とスクリーニングサービス、AAV毒性試験や生体内分布サービス、IVT RNA LNPカプセル化、および包括的な遺伝子デリバリーCROプロジェクトが含まれます。またVectorBuilderは、プラスミドDNA、AAV、レンチウイルス、レトロウイルス、mRNAのGMP製造と品質検査、プロセス開発、品質検査法の開発とバリデーション、長期安定性試験、規制申請用書類の提供、技術移管、商用製造など、遺伝子医薬品開発製造、細胞医薬品の原材料のウイルスや核酸などの製造に、包括的CDMOサービスを提供し、グローバルCDMOとして力強く当社顧客の創薬をサポートしています。

 

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